数値で見る東京都のパンデミック。無策の小池都政と大政翼賛医療デマゴギーの罪

「検査を増やしたから陽性者が増えた」は悪質エセ医療デマゴギー

 日本特有の国策翼賛医療デマゴギーとして根強いのが、検査を増やせば患者=陽性者が増えると言うものがあり、東京の動向についてもこのデマゴギーが流布されました。ブログ医者やTwitter医者にもこの傾向が極めて強く情けない限りです。  まず日本を除く世界共通の大前提。 「検査が感染者を増やすのでは無い。感染者を増やすのはウィルスだ。(”No,President Trump,Testing Is Not Causing Case to Rise.The Virus Is Just Spreading Faster.”)」  これは日本を除く全世界の医療関係者、研究者が、CNN・BBCほか様々な媒体で口を揃えてタルサで始まったトランプ氏のデマゴギーに対して行った反論です。  東京都は、5月連休明け発表分から医師会検査が本格稼働し、公開されてきました。これにより東京のPCR検査数は、それまでの200人/日から直ちに1000人/日以上、その後も漸増し、6月は2000人/日近く、現在は3000人/日前後となっています。  東京都では5/7発表分から一挙に1000人/日の検査数が増えましたが、東京都での新規感染者数は、5/23まで一貫して減り続け、ゆっくりとした増加に転じたのは5/24発表分からです。この間も検査数は2000人/日近くまで漸増していました。現実には、むしろ6月下旬からの指数関数的新規陽性者の増加に対応するために検査数を増やしている現実があり、それでも「検査負け」によって検査陽性率が増大中です。  従って、「検査数が増えたから新規感染者が増えた。」という主張は全く根拠がありません。完全に無根拠の空想で嘘です。 「東京では、PCR検査を増やしたから感染者数が増えたのだ」というきわめて悪質なエセ医療デマゴギーについては、INFACT でも誤りと判定されています*。 〈*[新型コロナFactCheck] 「(6月中旬)東京都が桁違いに検査数を増やした」は本当か? 2020/07/03 インファクト

検査は多ければ多いほど良いこれ世界標準

 極めて早期に的確に介入し、パンデミックを制圧した台湾という例外を除き、全世界では、徹底した検査によって市中の感染者を発見し、隔離、治療、追跡、検査を繰り返すことで新型コロナパンデミックと闘っています。そして感染症を制圧し、経済活動再開に向けて正攻法で成功しつつある国も多くなってきました。  一方で日本は、徹底した検査抑制を国策によっておこない、結果として大規模な第一次第二波パンデミックが全国で進行しており、世界に大きく取り残されつつあります。  日本は、東部アジア・大洋州(カンボジア以東の東アジア、東南アジア、大洋州)を覆う謎々効果(4月末から5月にかけて世界的にその存在が合意されたことで、何故かこの地域ではCOVID-19によるパンデミックの威力が他の地域の1/100である。筆者はこれを3月から謎々効果と仮称している)によって守られているのにかかわらず、合衆国と同様の失敗で、経済活動再開に大失敗をし、状況は3月末に巻き戻っています。
世界各国における1000人当たりのCOVID-19検査数(片対数)

世界各国における1000人当たりのCOVID-19検査数(片対数)
ごく僅かに抗体検査の試行が含まれるが、ほぼ全てPCR検査である
グラフでは、日本の周りは特異例の台湾を除き世界的なコロナ駄目国家の集まりである
Our World in DATAより

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ジャパンオリジナル!医療右翼による国策翼賛医療デマゴギーの蔓延
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