入場者が増えてきた。家族連れも散見される。13時を過ぎ、筆者も入場を試みる。前日夕方にネットから参加登録を済ませていたため「申請者受付」に向かう。しかし、名簿に筆者の名がない。「当日受付」に回り、氏名・年齢・住所を記入、入場を許可された。「お土産」として当日のプログラムやタオル、茶葉、サブバッグなどが入った袋を渡される。
早速、年配の男性が声をかけてきた。
「鈴木さんですよね。取材の方は事務局の矢田が対応しますので」
Sと名乗る温厚そうな男性、筆者への対応が予め決まっていたようだ。2階への階段を登りながら笑みを浮かべ、軽く嫌味を投げてくる。
「ウェブのあれで丁重にお断りしたのに来られたんですか?」
取材申請について訊くと必要ないと答えるS氏。
「別に要らないと思います。(矢田)本人が忙しいもので、空いてから取材対応します」
撮影に関しては「ちょっとご遠慮いただきたいです」と曖昧な返答、取材のための撮影の可否、そして地元テレビ局など他のメディアの取材対応については判らないという。
3階奥のミライメーカーのブースへ向かう。15時からステージでミライメーカーの発表があると呼びかけるスタッフ。ミライメーカーは家庭連合(統一教会)の青年2世信者による活動かと尋ねたところ、言葉を濁す。
「いろんな方が来られてますけど…」
『世界平和青年学生連合』の表記を示し、家庭連合系であることを指摘すると、ようやく認めた。
「あ、そうですねはい」
世界平和青年学生連合の機関誌などが置かれたミライメーカーのブース
2階に戻り、入り口で渡されたプログラムの内容をチェックする。冒頭に
鈴木英敬三重県知事と森智広四日市長の挨拶が載っている。
ミライメーカーと平和大使協議会の活動も紹介されており、同協議会のページには
梶栗正義UPF会長(国際勝共連合会長)を中心に「役員一同」の写真が掲載されている。どちらにも
統一教会・家庭連合との関係は明示されていない。危惧していた通り、統一教会2世のプロジェクトやフロント組織の偽装的とも言える活動に県知事や市長がお墨付きを与えた格好だ。
三重県知事と四日市市長が教団フロント組織にお墨付きを与えたかのようなパンフレット