「記者クラブ問題の議論を」フリー記者の問いかけに応えた安倍総理発言を内閣記者会が“黙殺”
首相の「記者クラブ」発言を内閣記者会が「ブラックアウト」

4月17日、会見で畠山氏の記者クラブに関する質問に答えた安倍首相
安倍首相が自らの言葉で述べた発言が“なかったこと”に
畠山氏は『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』(集英社)で開高健ノンフィクション賞を受賞し、筆者も取材現場で一緒になることがある、優秀なライター・作家だ。筆者もFacebookで「首相の回答は、日本にしかない記者クラブ制度を調査研究してきた私から見ると、画期的な内容。畠山氏がよくぞ聞いてくれた」と書いた。
畠山氏は第二次安倍政権で7年半、会見に参加していたが、初めて指名されて質問した。安倍首相は、畠山氏が記者クラブ問題に触れた際、何度か笑みを浮かべた。回答の時にも、自然な表情を見せた。畠山氏はもちろん質問の通告はしておらず、首相は自分の考えにもとづいて、自分の言葉で答えたのだろう。
日本の報道界は労資ともに記者クラブ制度についての議論をタブー視してきた。特に「革新」系メディア学者は、「記者クラブ制度は海外にもある」などという詭弁をばらまいて、この差別制度を擁護してきた。
記者クラブ問題は、マスメディアとアカデミズムでは取り上げないので、一般の人々は記者クラブについてその歴史と現状をほとんど知らない。その意味で、安倍首相の問題提起を記者クラブ問題を社会化するための契機にしたいと思う。
首相の発言から1か月になるが、内閣記者会(正式名は「永田クラブ」「官邸クラブ」とも呼ばれる)、新聞労連などメディア関係労組、市民団体、学者も首相発言を“なかったこと”にしている。いったいなぜなのか。
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