秋田・イージス・アショアが核攻撃で狙われたら? 放射線と熱線が終わると、次は衝撃波とFirestormが街と人を襲う
「Firestorm」(空襲火災)の猛威

核爆発とFirestorm(1Mt最適高度核爆発の場合。距離の目盛りは1マイル=1.6km))
1. 核爆発直後の熱線で爆心付近から遠くにかけてあちこちで発火が生じる
爆心では火球が成長すると共に衝撃波が広がる
2. 火球は膨張し、表面付近で衝撃波が生じる、衝撃波は火災を吹き消しながら地上を破壊し瓦礫の山を残す。爆心では、強力な上昇気流が生じ、火球のあとにキノコ雲を成長させる。衝撃波のあと、地表を外部から中心に向けて新鮮な空気が流れ込んでゆく
3.いちど消えた火災は随所で再発火し、無数の瓦礫の山で火災が生長する
4.都市の耐火・防火構造はすべて完全に破壊され、組織的消防は消滅しており、無数の火災は制御不能の大きな火災へと成長する
5.都市全域が炎に包まれるきわめて大規模なFirestormとなる
6.Firestormは、可燃物をすべて焼き尽くしたのち鎮火し、都市は灰となる
出典/The Climatic Effects of Nuclear War, R. P. Turco, O. B. Toon, T. P. Ackerman, J. B. Pollack and C. Sagan, Scientific American, Vol. 251, No.2, pp.33-43, 1984/8
この図は、日経サイエンス別冊「SDIと核戦争」の表紙となっており、現在も閲覧、入手可能である
地下に逃げても安全ではない

広島核攻撃による焼失域
人口の防火帯は役に立たなかったが鉄道や河川、農地、広い道路が防火帯として機能した。
Wikimedia commons(Public Domain)

Firestormによる焼失想定範囲
爆心から3000m圏内は、焼失の可能性が高い。
爆心から3000m前後を半円状に囲む県道56号線が防火帯として機能しなかった場合、4000m圏、5000m圏とFirestorm拡大し、最大で奥羽本線、羽越本線の西側が灰燼に帰する。
爆心から3000mの地点に油槽所とガス貯蔵所がありこれらに延焼すると小型核並の爆発、爆燃のおそれがある(地図中では半径1000mの円を描いた。)。
秋田市東部地域は鉄道が防火帯となってFirstormから守られる可能性がある。
現実には同心円状に燃えるのでなく、広い道路、河川、鉄道が防火帯となり、焼失範囲を決めることとなる。
道路は、防火帯ではなく逆に火の帯になる可能性が高い。
起爆後経過時間:t=〜24時間
国土地理院 地形図
*イージス・アショア関連の過去20回分の記事については以下参照。
●"イージス・アショアは「無敵の超兵器」か「大いなる無駄」か?"
●"ミサイル防衛の現実を踏まえれば、イージス・アショア導入以前にやるべきことがある"
●"日本のMD強化に「THAADを排してイージス・アショア」という選択は正しいのか?"
●"米軍迎撃シミュレーションから垣間見える、イージス・アショア日本配備計画の「不自然さ」"|HBOL
●"「誰がためのイージス・アショアか?」配備地から導き出される、ある推論"|HBOL"
●"秋田と萩へのイージス・アショア配備こそ、日本を逆に窮地に追い込む「平和ボケ」"
●"朝鮮半島緊張緩和が進む中、日本の防衛政策はどこに向かうべきか?"
●"安倍首相「家から通えるイージス・アショア」答弁の無知と詭弁と恐ろしさ"
●秋田・萩へのイージス・アショア配備は現地を先制核攻撃に晒す危険性。図で検証してみた
●イージス・アショア配備に対する秋田県民の民意を踏みにじる「安倍社交」の愚
●中学生でもわかるイージス・アショア秋田配備計画の杜撰さ
●北朝鮮の短距離弾道ミサイル、ゴルフに興じている余裕はないほど脅威である可能性も!?
●北朝鮮の新型ミサイルが日本に脅威であり、イージス・アショアではどうにもならない5つの理由
●北朝鮮製新型ミサイルの画期的性能は日本の防衛に何をもたらすのか?
●稚拙な外交とメディアの嫌韓煽りが崩壊させる日本のミサイル防衛
●北朝鮮新型ミサイル登場で、「イージス・アショア」配備は本気で考え直す時期に来ている
●安倍「社交」が日本にもたらした、周辺国対日軍拡と領土喪失と役立たずな兵器の支払い
●イージス・アショア配備は秋田市民を危険に晒す愚行。空撮で痛感するそのリスク
●「日本による配備」だからこそ高まるリスク。「もし先制奇襲核攻撃を受けたら」を考える
●秋田配備のイージス・アショアが戦術核攻撃を受けたとしたら。シミュレーションを見てもなお、配備を進めるのか?