「地球に似た7つの惑星を発見」――NASAの発表を正しく理解するために大切なこと

7つの惑星

トラピスト1は木星ほどの大きさしかない恒星で、今回見つかった7つの惑星も、太陽系に置き換えると水星よりもさらに内側にある Image Credit: NASA/JPL

今回の発見は何が重要なのか

 では、今回の発見と発表は、いったい何が重要だったのだろうか。  まずひとつは、太陽系から39光年という、比較的近いところでの発見であること、また惑星を7つ、さらにハビタブル・ゾーンの中に限定しても3つも惑星が発見されたということである。  太陽系に近いということは、それだけ望遠鏡からの観測がしやすいということであり(ただし近いとは言っても、直接訪れての探査は難しい)、また数が多いということも、それだけ観測の対象が多くなり、研究しやすいということにつながる。今後のさらなる探査で、それぞれの惑星の詳細や違いがわかるかもしれない。さらに数が多ければ、それだけ生命が存在する可能性も大きくなるということでもある。  もうひとつは、トラピスト1が赤色矮星であるということである。前述のように、赤色矮星は太陽の0.08倍、木星ほどの大きさしかない比較的小さな恒星だが、この宇宙に最も多く存在する恒星の種類でもある。  つまり、トラピスト1にこれだけ多くの惑星、それも地球サイズだったりハビタブル・ゾーンの中にあったりする惑星が見つかったということは、他の赤色矮星にも同じような世界が、つまり多数の惑星がもち、さらにハビタブル・ゾーンにも惑星があるような、そんな世界が広がっているかもしれない。  それは今後の観測や、新たな系外惑星の探索にとって重要なことでもあるし、またそれだけこの宇宙のどこかに生命がいる可能性が増えることにもなる。
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