「地球に似た7つの惑星を発見」――NASAの発表を正しく理解するために大切なこと

ハビタブル・ゾーン

今回見つかった7つの惑星のうち、内側から4~6番目の3つは、水が液体で存在できるハビタブル・ゾーンにある。この図はそれをわかりやすく描いたもの Image Credit: NASA/JPL

太陽系外のハビタブル・ゾーンに惑星が見つかったのは初めてではない

 今回の発表のうち、太陽系外に惑星が発見されたこと、またその惑星が地球ほどの大きさや質量をもつこと、さらにその惑星に水が存在する可能性があることや、ハビタブル・ゾーンにあることは、どれも目新しいものではない。  たとえば太陽系外の惑星(「系外惑星」という)は、これまですでに3500個以上が発見されている。そのうち、地球ほどの大きさのものや、ハビタブル・ゾーンにあるものもいくつか見つかっている。最近話題になった例では、昨年8月に太陽系に最も近い恒星である「プロキシマ・ケンタウリ」のハビタブル・ゾーンに、惑星「プロキシマb」が発見されている。  また、過去に見つかった惑星と比べて、今回見つかった惑星が、より生命がいる可能性が高い、というわけでもない。  実はハビタブル・ゾーンの定義はやや曖昧なもので、ハビタブル・ゾーンの中にあるからといって、その惑星に生命がいるとすぐに決まるわけではないし、逆にハビタブル・ゾーンから外れた天体に生命が存在する可能性がないわけでもない。  ハビタブル・ゾーンの中にある、ない、ということは重要なことではあるものの、あくまで、生命がいるかもしれない、あるいはいてもおかしくないと考えるための目安のひとつでしかない。
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「地球に似た惑星」という言葉の曖昧さ
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