Jリーグを多国籍化し「アジアのプレミアリーグ」目指す
Jリーグ国際部の小山氏も、チャナティップの「能力」に大きな期待を寄せている。
「チャナティップは東南アジアナンバーワンの選手。初めてJリーグ、それもJ1でスタメンで活躍できる可能性のある東南アジアの選手です。彼に東南アジアとの架け橋になってもらい、もっといろいろな国の選手が来ることで、Jリーグが『アジアのプレミアリーグ』になっていければと。逆に、彼でダメなら他の誰が来てもダメだろうというくらいの選手ですから、リーグとしても彼にかけているところがあります」
実力の世界である以上、「付加価値」だけでは限界がある。日本人選手のヨーロッパへの移籍が本格化したのも、中田英寿が純粋に選手としての日本人の価値を証明してからだった。Jリーグの「アジア戦略」が次のステージに進むためには、東南アジア出身選手がそのプレーでJリーグに衝撃を与えることが不可欠だろう。「アジア戦略」の命運を背負って、今夏、東南アジアのベストプレーヤーが満を持してJリーグにやってくる。
<文・本多辰成>
【本多辰成】
1979年、静岡県浜松市出身。出版社勤務後、日本語教師としてタイへ渡る。その後、タイをベースにフリーランスライターとして活動。サッカーをはじめとした東南アジアのスポーツを中心に取材、執筆を行っている。東南アジア情報サイトやサッカーメディアなどにタイを中心とした東南アジア関連の記事を寄稿している。
【アジアサッカー研究所】
東南アジアを中心としたアジア新興国と日本およびアジアの国々のさらなる発展のために、各国の取り組みをリサーチし、関係者に共有し、さらなる価値を創造していくことを目的として、人材開発とコンサルティング分野など、日本とアジアのサッカー交流を加速させるプロジェクトとして活動している。
http://ja.ifaf.asia/