タイ人初のJリーガー獲得。背景にはタイに向けた経済戦略のほか、「Jリーグをアジアのプレミアリーグ化」する遠大な構想も

うなぎ登りに増えている訪日タイ人もターゲットに

 2013年7月にタイ人の日本入国に際するビザが免除されて以来、訪日タイ人観光客は凄まじい勢いで増え続けている。  日本政府観光局によれば2016年に訪日したタイ人の総数は90万人を超え、今や中国、韓国、台湾、香港、アメリカに次ぐ世界6位の一大市場だ。7千万人近い人口を抱えるタイは昨今の経済成長により日本旅行が可能な中流層が急増、近年の訪日客数は東南アジア諸国の中でも群を抜く多さだ。そういった点も、タイが「アジア戦略」において重視される所以となっている。  また、チャナティップの移籍が噂され始めた頃からすでにJリーグにはタイから放送に関する問い合わせが寄せられており、現在、複数の放送局と交渉中だという。自国のスター選手が日本でプレーすることによって、タイにおけるJリーグへの関心度が一気に高まることも間違いないだろう。  だが一方で、「それだけではない」ところがこの移籍の肝ともいえる。チャナティップは日本とタイをつなぐ架け橋として期待されているだけでなく、純粋にチームの貴重な戦力として迎えられている点も見逃せない。何度も現地に足を運んでプレーをチェックしてきたという三上GMは、昨年も3試合を生で観戦。その結果、「レギュラークラスの戦力と確信」して獲得を決断した。
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Jリーグを多国籍化し「アジアのプレミアリーグ」目指す
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