そして、実際にチャナティップの獲得に踏み切った札幌の本気度も高かった。札幌はこれまでにもベトナムやインドネシア出身の選手を獲得した実績があり、とりわけアジア戦略に熱心なクラブの一つ。かねてからタイ人選手にも強い関心を持っており、チャナティップに関しても3年ほど前から徹底マークしてきたという。
札幌はクラブとして、タイ人選手の獲得に何を期待しているのか。一つはこれまでの東南アジア出身選手たちと同様に、クラブやホームタウンのプロモーション効果といった付加価値だ。そういった面について、チャナティップの獲得に力を注いできた札幌の三上大勝GM(ゼネラルマネージャー)は次のように語る。
「Jリーグ全体でアジア戦略を掲げているなかで、私たちとしても北海道や札幌市のシティープロモーションをサッカーを通してやっていきたい。タイ国内で人気のあるチャナティップが来ることによって、より多くのタイの方たちに北海道、札幌をもっともっと知ってもらうことになるんじゃないかと」