タイ人初のJリーガー獲得。背景にはタイに向けた経済戦略のほか、「Jリーグをアジアのプレミアリーグ化」する遠大な構想も

「提携国」選手は日本人と同じ扱いで出場可能に

 そういった状況下で今回、ついにタイ人選手がJリーグでプレーすることになったのにはいくつかの背景がある。  まずは、東南アジア出身Jリーガーがもたらす効果が広く認知されてきたこと。東南アジアからの選手獲得に熱心なクラブの一つである水戸ホーリーホックは、ベトナム人選手の加入によってベトナム航空をスポンサーにつけることに成功。さらに、茨城空港にはベトナムからの直行便が飛ぶようになった。そういった目に見える成果が、Jクラブの東南アジアへの関心を少しずつ高めてきた。  また、Jリーグ側も各クラブが東南アジア出身の選手を獲得しやすい環境作りに努めてきた。今季からは東南アジア諸国をはじめJリーグが提携を結ぶ「提携国」の選手は外国人として扱わないという思い切ったルール改正も決行。これにより、タイ人選手も日本人と同じ扱いでJリーグの試合に出場できることになった。
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チャナティップ獲得の背景にある意図とは?
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