「東南アジアの優等生」タイのサッカー界は引き続き躍進【2016年アジアサッカーまとめ】

スタメンのほとんどがタイ代表という「ドリームチーム」も誕生

 アジア最終予選では前半戦を終えて1分4敗と苦戦を強いられているが、ホームのオーストラリア戦では現アジア王者の強豪を相手に堂々たる戦いぶりで勝ち点1を獲得。現在グループ首位に立つサウジアラビアにもアウェイで0-1と惜敗したものの対等な戦いを見せており、今年3月に再開される後半戦に期待を抱かせる。  また、年末には2年に一度開催されるAFFスズキカップ(東南アジア選手権)で2連覇を達成、単独で大会最多となる5度目の優勝を飾った。貫禄を感じさせる勝ち上がりはこれまでとはひと味違うもので、東南アジアでは頭一つ抜けた存在となったことを感じさせた。  プミポン国王の崩御により唐突なエンディングを迎えたタイリーグでは、ムアントン・ユナイテッドが4年ぶり4度目の優勝を決めた。2015年シーズンまではブリーラム・ユナイテッドが3連覇を達成、国内主要タイトルの大半を獲得する独壇場だっただけに潮目の変わるシーズンとなった。  ムアントン・ユナイテッドはもともとタイを代表するビッグクラブだが、2016年シーズンは開幕を前に大きな変化があった。母体企業であるタイの大手メディア「サイアム・スポーツ」が、同じく名門のBECテロ・サーサナを買収。同クラブに所属していた多くのタイ代表選手が移籍してきたことで、スタメンのほとんどをタイ代表の主力が占める「ドリームチーム」が誕生。その結果のリーグタイトル奪還だった。
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大企業をバックに持つクラブが台頭
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