タイは2010年代に入り急成長を遂げた国内リーグの盛り上がりを背景に代表チームも急激に力をつけている。
Jリーグがアジアの国々との連携をはかる「アジア戦略」でも真っ先に提携を結んだのがタイリーグで、サッカーにおいてもタイは東南アジアのリーダー的存在だ。
昨年はタイ代表がアジアトップレベルの舞台に本格的に登場、Jリーグの「アジア戦略」と絡んだ日本との関係性においても新たな展開が見られた。今、アジアの中で着実に存在感を高めているタイサッカー界の2016年を振り返る。
タイサッカーの台頭を最もわかりやすく示しているのがタイ代表の活躍だ。アジアトップレベルの争いには加われない時代が続いていたが、ここ数年の急成長で状況は一変した。2016年はリオデジャネイロ五輪予選、ロシア・ワールドカップ予選と続けて最終予選まで進出。アジア上位の勢力図にタイが加わったことを印象づけた。
ワールドカップのアジア予選では、2次予選を無敗で首位通過。中東の強豪であるイラクの優位が予想されたグループだったため、タイの快進撃は驚きを与えた。タイが最終予選に進出したのは2002年の日韓大会予選以来2度目のこと。だが、前回は日本と韓国がホスト国のため予選を免除されていたという特殊事情があっただけに、実質的には初の快挙と言うこともできる。