サッカー不毛の地・スリランカにおける日本政府とJリーグの取り組み

スリランカの子供たちの歓待を受ける

サッカー教室で元気に走る子どもたち

 JICAスリランカ事務所での顔合わせ後は、スリランカサッカー協会を訪問。  筆者たちを迎え入れてくれたセクレタリージェネラルのバレンドラ・アンソニー氏が、同国のサッカー事情を話してくれた。  スリランカのFIFA世界ランキングは194位(2016年10月20日現在)。残念ながら1993年からランキングが下がっている傾向にある。スリランカサッカー協会には日本サッカー協会からU-16スリランカ代表監督として鈴木 隣氏(これまでドイツ、タジキスタン、北マリアナ諸島にて監督を経験)が、JICAからはサッカー隊員の中野氏がコーチとして関わっている。  また、国内リーグであるスリランカチャンピオンズリーグのコロンボFCには、「アジアの渡り鳥」の異名をもち、19の国・地域のリーグでプレーしている伊藤壇選手が最近まで所属していた(伊藤選手は現在、自身20ヶ国目のキャリアを積むため、東ティモールのリーグに挑戦中)。  翌日、会場となるジャフナの街へ移動。コロンボに比べるとかなり落ち着いた町である。  午前中は小学校を3校訪問した。今回の旅程で訪れたすべてに学校において、JリーグとJICAの活動の説明し、子どもたちにユニフォームを配ることになっている。Jリーグ側のメンバーが話すたびに起立をして挨拶をしてくれるのが印象的だった。Jリーグクラブのユニフォームを子どもたちに配り、みんなで記念撮影をした。  どの学校の生徒たちも校長先生が登場すると、姿勢を正し、挨拶をする。昔ながらの日本の教育現場のような光景にも映った。また、同行していたJICAの体育隊員はどの学校に行っても人気者。彼らの活動がいかに地元に子どもたちに受け入れられ、愛されているかということを示していた。
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貧富の差があり、裸足でボールを蹴る子供も
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