サッカー不毛の地・スリランカにおける日本政府とJリーグの取り組み

スリランカで最もサッカー熱が高い地域・ジャフナ

スリランカサッカー協会を訪問

 今回の活動(ユニフォーム配布とサッカー教室)は、スリランカ最大の経済都市として有名なコロンボではなく、北部の中心都市ジャフナで行われた。スリランカは1983年から2009年まで北部・東部に多く住むタミル人の反政府組織と、スリランカ政府(スリランカの人口約7割はシンハラ人)との内戦状態にあった。今回訪れたジャフナも2009年までは戦場となっており、現在も戦争の傷跡として県庁跡などが残されている土地だ。  現地コーディネートは、スリランカでも活動しているJICA(国際協力機構)の方々が担当した。JICAのボランティア調整員、現地でタミル語の通訳を担う隊員、サッカー教室の運営に当たるサッカー隊員や体育教師隊員と様々なスタッフが携わったプロジェクトとなり、まずはコロンボの街で、主催のJリーグのメンバーとの顔合わせが行われた。JICAはスリランカに約70人ものスタッフを派遣している。その派遣地域はほぼスリランカ全土といえるほどに広域に渡る。コロンボの空港建設やスリランカ初の高速道路の建設など、JICAの活動は多くのスリランカの人たちにも知られているようだ。  スリランカの国技はバレーボールであるが、最も人気のあるスポーツはクリケット、ついでラグビー。その次にサッカーというのがスリランカでのスポーツの知名度だが、ジャフナではクリケットとサッカーがほぼ同等か、サッカーの方が人気があるくらいと言われており、スリランカ代表チームにもジャフナから多くの選手が輩出されている。
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スリランカの子供たちの歓待を受ける
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