「復興・防災型」出店に東北大キャンパス取得に……。杜の都・仙台で進む「商業のイオン化」

前代未聞? 国立大キャンパスをイオンが取得

 そして最後の1つ、3つ目のイオンの大型店計画は、仙台市の中心商店街からも近い、東北大学のキャンパス跡だ。  国立大学法人東北大学は、仙台駅から北に2キロほどの北仙台駅近くにある東北大学雨宮キャンパス(青葉区)を2016年度中に青葉山キャンパスに統合させることになっている。この雨宮キャンパスの土地を取得したのもイオングループの「イオンモール」だった。イオンモールは、雨宮キャンパスの広大な敷地約9.3haを、実に約220億円で取得したという。

2016年度中に移転する東北大学雨宮キャンパス(青葉区堤通雨宮町)。約9.3haにも及ぶ敷地をイオンが取得。活用方法に注目が集まっている

 雨宮キャンパスがある上杉地区は仙台市役所や中心商店街から僅か1キロほど北側の徒歩圏に位置する高級住宅街で、大型マンションも多く立地する。イオンモールは、この約9.3haの広大な土地を従来のような郊外型ショッピングセンターとして利用するのではなく、総合的な開発を行うことを目指している。  具体的には、キャンパス跡を商業・地域医療支援病院・住宅の3つのエリアに分けて開発。そのうち約3.6haを商業エリアとし、延床面積約60,000㎡超の「都市型ショッピングセンター」の建設を計画しているという。  また、約4.1haの地域医療支援病院エリアには、大型医療拠点となる「厚生会仙台厚生病院」を進出させる予定で、仙台市中心部の防災・減災にも一役買うことになる。残りの1.6haは大型マンションとなる見通し。これらの施設は、2019年度中の完成を目指している。
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「復興・防災型イオン」による地域復興
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