バングラデシュでは外国人でも法人を持てば土地が所有出来るので、不動産投資に参入しようと思う人がいるかもしれない。
しかし、アジア最貧国であることは変わらないので、絵に描いた餅のように簡単に不動産投資が出来るわけではない。そこにはそれ相応のリスクもあることを頭に入れておきたい。特殊なコネクションやルートが最優先なのは、どこの途上国も同じなのである。
また、いま最も不安視されているであろう治安問題もある。
そもそも日本と比べるとどこの国も治安の問題はあるものだが、バングラデシュはこれまでフィリピンなどと比べても安全な国だとされてきた。9割がイスラム教徒ながら過激派はいないとされてきたからだ。
しかし、2014年頃から反政府組織によるデモなどが起きるようになり、周知のとおり7月1日にはイスラム過激派によって外国人をターゲットにした立てこもり事件が起きた。政府は警察などを増員し、1万8千人を拘束するなど対策をとりはじめている。
なぜ外国人がターゲットになるのか、その理由はまさにバングラデシュらしい理由である。バングラデシュはこれまで日本を中心として外国からの援助で発展をしてきた。だからこそ、外国人をターゲットにすることにインパクトがあるというのだ。
しかし先月12日にもアメリカでイスラム過激派によって銃乱射がおき、49人が死亡するテロがあった。フランスでも同様。今の世界はテロとは切り離せない世界となっている中で大事なことは、テロに屈しないこと、そして日本とは違い、治安問題を意識することだ。
今のところ、バングラデシュにおける不動産投資とテロは直接的には関係がなく、デメリットになる可能性は非常に低い。なぜならバングラデシュでは治安不安による人口の海外流出が起こりえないからだ。バングラデシュは今後も世界一の人口密度を加速させ続けるとみられる。
次回、バングラデシュという国における不動産投資術の具体的な方法についてお伝えする。
<取材・文/上沢ちひろ>
バングラデシュ不動産投資アドバイザー。「
海外投資4.0」の取材担当
http://overseas-realestate.jp/