もともと人口密度の高かったバングラデシュ。そこで経済成長率が右肩上がりで、グルーバル企業が[進出し、貧困率が低下し、平均年齢もまだ若いという状況になっている。
そんなわけで、何が足らないかというと、住む場所や土地が足らない……となるわけである。
住宅不足を受けて、政府は川などを埋め立てて、それを抽選で現地のバングラデシュ人へ安く売り渡している。そしてそのバングラデシュ人達が、そこそこの値段を載せて、転売をするというわけである。だから、まだ道路も何もない場所でも100坪で5000万円以上するのだ。しかし、その場所から車で5分ほど行けば、100坪で3億円近い街が広がっているので無理もない。
私はある一人のバングラデシュ人を取材した。彼、A氏はバングラデシュの産業の一つであるIT企業を経営している。しかし、彼の精神的余裕を担保しているのは不動産事業であると言う。
「私はIT事業で従業員を100人ほど抱え、CGの制作などを請け負っています。しかしその本業よりも圧倒的に利益をもたらしているもの、それが不動産です。2008年に3000万円で購入した土地が現在は3億円になり、
1700万円で購入した土地は7000万円になったのです」
さらにそのIT企業の入る8階建のビルも自社ビルだと言う。
下記の写真はそんな彼の土地や彼が持つ不動産の写真だ。
-
-
(撮影:上沢ちひろ)
-
-
(撮影:上沢ちひろ)
実はこのようなバングラデシュ人はたくさんいる。農地を海外のメーカーに工場用地として売却するだけで1億円近いお金を手にして、ダッカ中心部へ引っ越す農民も多い。そして、その不動産がまた上昇するのである。