イチローからは良い意味で「田舎のラーメン屋」と呼ばれた
当時の葛城の実力を知る上で、興味深いエピソードがある。
仰木監督がイチローに、葛城の守備力を聞くとイチローは、独特の味があって意外とウマいとの意味を込め、「田舎のラーメン屋ですね」と答えた。
球界のレジェントが認めた実力は、入団2年目と早い段階からその片鱗を見えることになる。イチローが翌年にメジャーリーグに挑戦する際に葛城はレギュラーポジションを獲得することになるが、名手達の背中から学ぶことは多かった。
2年目にレギュラーとしてシーズンを過ごすが、以降は思うような結果が残せず苦しんでいた。5年目の2004年に、同じく在阪球団である阪神タイガースにトレード移籍する。今でも、阪神時代の印象が強いとの声があるように、阪神での活躍がプロ野球選手葛城の名前を広めることになる。移籍した当時の阪神は黄金時代と呼べる充実器。まず感じたのは、パ・リーグとセ・リーグの明確な差異だった。
「正直、ブルーウェーブ時代は外食をしても声を掛けられるという経験は多くはなかったんですが、阪神に移籍してからはいたるところで声をいただく機会が増えた。メディアの数、ファンの熱狂具合も含めて、全てにおいて“見られているな”と感じました」。