フランス流の高級百貨店からカジュアル百貨店へと転換!しかし……
国内最後の「プランタン百貨店」となったプランタン銀座は、2002年になるとダイエーの経営不振により株式が読売新聞社と三越に売却され、高級服飾品中心から若い女性をターゲットとした百貨店への改装が進められた。この改装は、同じ銀座で三越が運営する「銀座三越」との差別化を図りたいという思惑もあったと考えられる。
三越グループと讀賣グループの手によって運営されることになった新生・プランタン銀座であったが、その後も2004年にサンケイリビング新聞社がおこなったOLを対象としたアンケート(集計数826人・回答者平均年齢30.2歳)で「OLが実際によく行くデパート1位」となるなど、他の百貨店とは一味違った「フランスらしさ」と「銀座らしさ」を兼ね備えたオシャレで華やかな場所として、都心で働く若いOLを中心に人気を集め続けた。
しかし、リーマンショックを経て2010年代に入り、消費者の趣向の変化とともに銀座に「カジュアル化」の波が押し寄せると、プランタン銀座も大きな転機を迎える。駅ビルなどとの競合も激しくなった近年は、かつての高級路線からは大きく舵を切るかたちで「自主編集売場の縮小」と「テナント化」を進めており、客層も大きく変化。「ユニクロ」や「ニトリ」などといった、ショッピングセンターでもお馴染みの大型専門店を導入することで顧客層の拡大を図るようになっていた。
2015年4月には館内にニトリが銀座初出店。 フランスの国旗の上には「ニトリ」の大型広告が設置された
しかし、そうした経営手法は「プランタン」の終焉へと繋がってしまったのかもしれない。2015年12月、プランタン銀座は2016年12月末に迎える商号使用契約期限を更新せず「プランタン百貨店」としての営業を終了、閉店することを発表した。閉店に至った大きな要因としては、プランタン銀座が「カジュアル化」したことにより、高級百貨店である「オ・プランタン」と経営方針の相違が生まれるようになったためであるとも言われている。