鉄道職員の“問題行動”を生み出す「本当の理由」

ごーたつ / PIXTA(ピクスタ)

 このところ、鉄道職員の“不祥事”が話題になっている。  不祥事と言っても事故や事件というほどのことはなく、東海道新幹線の運転士が運転台に足を投げ出していた…、JR東日本の運転士が運転席であぐらをかいていた…、さらには近鉄の車掌が利用客に詰め寄られてプッツン、逃げ出して高架から飛び降り怪我をするというトラブルもあった。  どのケースでも鉄道事業者は謝罪のコメントを発表しており、それぞれの職員には何らかの処分が下るだろう。  だが、こうしたトラブルを巻き起こす職員たちに対する同情の声も少なくない。特に“職場放棄”をした近鉄の車掌に対しては、「過度なクレームをつける客が悪い」「これまでも似たようなことがあってストレスが貯まっていたのだろう」「車掌に処分をするな」などなど。確かに、列車の運転見合わせに際して集団で詰め寄られて罵声を浴びせられれば、逃げ出したくなる気持ちも理解できる。  もちろん職場放棄はどの仕事であっても処分の対象になるし、運転士の振る舞いは安全にも関わるので毅然とした対応も必要だろう。ただ、同情すべき事情があるのも事実だ。では、なぜこうしたトラブルが相次いでいるのか。鉄道専門誌の記者は「クレーマーも問題だが、一番の要因は現場の職員に過剰な負担を強いていること」と話す。
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合理化のシワ寄せが現場の職員を押しつぶす
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