アンカリングのスキルとは、船が停止する際に錨(アンカー)を降ろし、海底がずしりと響くかの如く、話の内容を、聞き手の心にしっかりと響かせることを言う。読者の周りにも、「あの人の話には、いつも胸を打たれるなあ」、「○○さんの話には心を揺さぶらせた」、「部長のプレゼンテーションには、なるほどと納得した」というように思える人がいるに違いない。そういう人は、アンカリングのスキルが高いと言える。
もちろん、態度も声も、内容も論理もプレゼンテーションを成功させるために必要だ。しかし、いかに表現力や論理性が高くても、アンカリングのないプレゼンテーションは、聞き手を納得させることは、まずあり得ない。逆に、表現力や論理性はいま一つだったとしても、アンカリングが高ければ、聞き手の納得度を高めることができるのだ。
そして、このアンカリングある表現というものは、プレゼンテーションしたい製品やサービスについて、突き詰めていければ突き詰めていくほど、生まれやすくなる。そこで、分解スキル・反復演習型能力開発プログラムでは、製品やサービスの特徴を突き詰めていくための、2分程度でできる、とても簡単な、しかし、たいへん有効な演習を行う。