文科省が推進する総額2500億円のムダ事業――チリも積もれば山、の典型

「教育の機会均等」には施設の整備の平等も含まれるとする解釈

 それでは、整備率70%を達成した後は、武道場整備はそこで打ち止めなのでしょうか?それとも更に継続して、100%達成を目指して行くのでしょうか? 2008年度時点の公立中学校の武道場整備率は47%でしたので、100%達成となれば「+53%」、つまり5300校の武道場を新築するということになりますが、文科省はそれについては何も説明していません。  ただ文科省は「70%で整備は打ち止めです」とは対外的には言えないはずです。教育基本法第3条に規定される「教育の機会均等」には施設などの外的教育条件の整備も含まれると解釈されるからです。「この学校には武道場があるけど、この学校にはない」という状況が文科省によって意図的に作り出されるとしたら不平等であり、教育の機会均等に反すると見なされる可能性があるのです。そもそも整備率70%を目指す際に「緊急5か年」の計画と謳っており、「緊急」と言う以上、「取り急ぎの目標は70%だけど、将来的には100%を目指す」と行間を読むのが自然でしょう。
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東日本大震災後の学校施設耐震化優先により武道場整備に遅れ
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