文科省が推進する総額2500億円のムダ事業――チリも積もれば山、の典型

武道場2300校整備で合計1040億円の費用までは判明

 文科省が武道場を何棟作るか明言したのは、2009年度から2013年度の「緊急5か年」の計画で、2008年度時点の公立中学校の武道場整備率である47%から70%まで「+23%」の引き上げを目指すと公表したのが最初で最後です。つまり「全国公立中学校約1万校の23%にあたる2300校の武道場を新築する」ことまでは明確に表明しているわけです。ここまでにかかる費用総額が1040億円であることは、先の「連載第2回」に書いた通りです。  この70%とは、何を基準に定められた目標値なのでしょうか? これについて文科省は、「緊急5か年」の計画では、「6学級以下の小規模校を除く」中学校で武道場整備を行うとしています。2007年度データを調べると、全国の公立中学校10150校中2795校(27.5%)が6学級以下の小規模校でした。なるほど、小規模校を除くと72.5%となり、とりあえず小規模校は除いて整備を進めて70%のラインで整備すれば、効率的に安全で円滑な授業を行うためのベースが築けるという計算なのです。
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「教育の機会均等」には施設の整備の平等も含まれるとする解釈
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