「無添加ワイン」は本当に「無添加」と言えるのか?

表示義務のない添加物

 その際に注意したいことは、「無添加」のキャッチコピーを頭から信用しないことです。ワイン製造過程ではかなりの添加物が使用されていますが、「加工助剤」として表示は免除されています。それでも「無添加」ワインとして販売されているのです。  加工助剤は食品の加工工程で使用されますが、除去されたり中和されたりして、最終製品にはほとんど残らない添加物のことです。しかし、ごく微量でも健康に影響を与える可能性があるのが、添加物や農薬など合成化学物質の怖さです。有機塩素系化合物の一部には、環境ホルモン作用(生殖機能への悪影響)を、PPT(1兆分の1レベル)濃度で起こすことが確認されています。食品製造に使った添加物はすべて表示するというのが、食の「安全と安心」のためには不可欠です。  ある業者は「そんなことをすれば、パッケージの裏は添加物の名前で真っ黒になってしまうよ」と言って苦笑していました。しかし、どんな添加物が使われて、どの程度まで許容できるのかどうかは消費者個人がそれぞれ判断することであって、製造者側が「これは消費者に知らせなくてもいい」と勝手に判断するのはおかしいのではないでしょうか。
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ビオワインにも添加物入りのものが
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