フォークランド北方油田の埋蔵量が大規模だと発覚。領有権争い再燃の可能性も

親米的なマクリ政権ゆえの問題も

 ロックホッパー社は、現在シー・レオン油田とイソベル・エライン油田の試掘を続けている。この二つの油田におよそ10億バレル分が埋蔵されていると推測されている。ロックホッパー社以外には、英国からプレミア・オイル社が、そして米国からノーブル・エナジー社とエジソン・インターナショナル社がそれぞれ試掘調査をしている。これら企業は全てアルゼンチン政府によってアルゼンチン領域内で無断で商活動をしているとして提訴されている。  マクリ政権になって、米国に科学研究基地と軍事基地の二つの基地を提供すると提案しているなど新たな変化も起きている。科学基地の建設予定地として候補に上がっているのがアルゼンチン最南端の都市ウシュアイア、そして軍事基地はトゥリプレ・フロンテラと呼ばれるアルゼンチン、ブラジル、パラグアイの3か国の国境の接している所である。特にウシュアイアは南極半島に近く、そこでは氷点下の淡水が豊富にあり、原油や天然ガスなどが埋蔵されている。さらに、南極半島はアルゼンチン、チリ、英国が領有権を争っている。仮に米国がウシュアイアに基地を設けるようになるとアルゼンチンの対英国との関係にも影響があるものと思われる。  再び、南米の領土問題を巡り緊張が高まってくる可能性はあるだろう。 <白石和幸> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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