フォークランド北方油田の埋蔵量が大規模だと発覚。領有権争い再燃の可能性も

延伸が認められた大陸棚に入る油田の位置

 しかし、英国と米国によるフォークランド周辺での油田の開発については、アルゼンチンの政権が代わっても油田鉱床の領有権を主張し続けて行く方針だ。そして、それを国際舞台の場に持ち込むというのがアルゼンチンの狙いだ。  その意味で、フェルナンデス前大統領の唯一の功績は、国連の大陸柵限界委員会にこの問題を提示し、アルゼンチンが主張する350カイリまでを自国領土と看做すという判断を同委員会が承認するように活動したことである。(参照「アルゼンチン、ついにフォークランド諸島を含む大陸棚延伸350カイリの国連承認を得る」2016年4月6日付HBO)  案の状、同委員会はアルゼンチンの主張を今年4月に認めた。この決定によって今回、原油の埋蔵が確認されたシーライオン油田地区も350カイルの中に入り、アルゼンチン領土だと主張出来るのである。しかし、同一海域を複数の国家が主張した場合は、同委員会の決定は保留になるとされている。即ち、フォークランドとその周辺区域を領有している英国が自国の領域だと主張すればそのまま実効支配が続くということである。
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親米的なマクリ政権ゆえの問題も
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