NASAの宇宙望遠鏡、太陽系外惑星を1284個発見。うち9個は地球のような惑星か

これまでに発見された系外惑星の数を年別で示したグラフ。ケプラーの打ち上げによって、2010年以降は発見数が増えており、データがある程度集まった2014年には800個近くも発見している。しかし今回の発見数(オレンジ色)はそれをはるかに突き抜けている Photo by NASA Ames / W. Stenzel; Princeton University / T. Morton

新たな分析方法が多数の発見につながった

 今回の発見は、もちろんケプラーによる観測があってこその成果だが、これほど多数の発見につながった直接の理由は、研究者が新しい分析方法を編み出したためである。  前述のように、これまではケプラーが観測した候補を、一つひとつ別の望遠鏡などで確認して、それが系外惑星か、それとも別の天体や現象かを選別していたが、これには膨大な時間がかかる。  そこでプリンストン大学の研究者ティモシー・モートン氏は、ケプラーの観測データを分析する新しいソフトウェアを開発した。これは恒星の明るさの変化の度合いなどのパターンから、惑星である場合に予想される挙動と99%以上合致していれば惑星、そうでなければ惑星ではない、と判断するもので、これによりひとつの候補を分析する時間を、わずか2~3分にまで短縮することができたという。  今回分析が行われたのは、はくちょう座とこと座の方角にある4302個の候補で、このうち惑星である可能性が99%以上あるものが1284個、また惑星である可能性はあるものの、99%以上という条件までは満たしていなかったものが1327個と分析された。また、707個は別の天体現象で、系外惑星ではないとされた。なお、残る984個は以前に、一つひとつ確認する方法で惑星であると結論付けられている。
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地球外生命の可能性がある系外惑星
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