朝鮮語の曲「パンガッスムニダ(お会いできて嬉しいです)」を披露するMさん
北朝鮮で結婚式を挙げたい。そんな希望を北朝鮮専門旅行社に伝えたが、申し込んだ当初は先方にもなかなか信用されなかったというMさん。
「向こうは、冗談かイタズラで問い合わせていると思ったそうです。だから初期の見積もりもいい加減で、ビザ発給の段階でようやく真面目に交渉が始まりました。最初は5万円くらいでできるという話が最終的に20万円ほどまで膨れ上がったのですが、外国人に恥ずかしくないレベルのものを提供したいという意気込みだったからだと思います。私たちは当初、現地の人とまったく同じ式をやりたかったのですが、結果的に朝鮮国内でも豪華なものになってしまいました」
だが訪朝経験も複数あり現地とも信頼関係があったため、結果的にはスムーズに事が運んだという。
「馴染みのガイドは、『結婚式を希望する日本人がおり、ガイドに君をリクエストしている』という話が来たとき、すぐに私であると分かったようです。これが一見さんだったら難しかったのではと思います」
かかった費用は以下のとおり(見積もりは日本円&ユーロの混在)
新婦着用チマチョゴリ:150ユーロ
新郎着用人民服:150ユーロ
ムービー撮影(披露宴&新婚旅行6泊7日全行程):150ユーロ
式場代金:10万円(日本円)
ゲスト一人当たり:プラス5000円
ゲストは日本語案内員の中から20人まで招待可能。上限いっぱいの20人を招待し10万円
合計:約25万円
結婚式の代金は直接、平壌まで持参。日本語観光担当部長とガイド2人と高麗ホテルで最終的な打ち合わせを行い、着手金として約1500ユーロを手渡した。
「その後、馴染みのガイドとホテルの地下で呑んだのですが『私はあんな大金を目の前で見たことはないよ』と悲しそうに呟いていたのが印象的でした」