「スキー場崩壊の象徴」ガーラ湯沢に再びテコ入れを始めたJR東日本に勝算はある?

惨憺たる経営状況に陥った祭りのあと

 以上のようにスキーブームの絶頂期に開業したガーラ湯沢スキー場、開業から数年間は入場者数も30万人を大きく上回る上々のスタートでしたが、ブームが終焉して入場者数がじわじわ減少、更に工事費の高騰によって初期投資額が当初より膨らみ、惨憺たる経営状態に陥ってしまいます。その後は、97年に温泉や温水プールを備えた温浴施設も設置してテコ入れを図りますが、累積債務の解消には程遠く、遂に1999年にJR東日本は運営会社の清算を決定、貸付金や出資金など91億円を子会社整理損として処理しています。 第16期決算公告 1月15日官報73頁より 当期純利益:9428万円(△32%)※()内は前年比 利益剰余金:7億4161万円 過去の決算情報 詳しくはこちら http://nokizal.com/company/show/id/1350272#flst  しかし、ここ2年の決算データを見ると潤沢とまでは言えないものの、まずまずの利益は上げているようです。また、ガーラ湯沢駅の乗員数も「JR SKI SKI」キャンペーンが再開する辺りから、全盛期には程遠いものの結構回復しています。

ガーラ湯沢駅の1日平均乗員数

 これらの直接的な要因は、上記の損失処理による設備負担の軽減とキャンペーンの再開による集客が大きいのだとは思いますが、一方で日本のスキー人口の衰退は激しく、近年は少し緩やかになってきた感も無くはないですが反転するには至っていません。

スキー・スノボ人口の推移(縦軸の単位は万)

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バブル時代の暗黒面がストロングポイントに?
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