映画『僕が跳びはねる理由』が自閉症の偏見を覆す力に溢れている理由

同じく自閉症を題材とした映画『旅立つ息子へ』も要チェック

 現在、同じく自閉症を題材とした、イスラエル・イタリア合作の映画『旅立つ息子へ』が公開されている。その内容は、チャップリンを愛する自閉症の息子が、施設への入所の日にパニックになってしまい、その父と逃避行をするというものだ。  その過程では、父が息子を愛するあまり子離れができていない、というよりも共依存の状態になっていることがまざまざと示される。それ以外にも、この父は息子と暮らすために、売れっ子グラフィックデザイナーのキャリアを捨てており、そのせいで定収入がなく養育不適合と判断されてしまうという問題も抱えている。そんな父が旅で学びを得ていく過程が丁寧に描かれ、ラストの落とし所も納得しかないものであった。  昨年には、フランス映画『スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話』も公開されていた。こうして自閉症に真摯に向き合った、優れた映画作品が続々と世に送り出されているのは、とても喜ばしいことだ。ぜひ、『僕が跳びはねる理由』と合わせて、これらも鑑賞してみてほしい。 【もっと詳しく】⇒『最強のふたり』の再来? 自閉症ケア施設と子どもたちを守る戦いを描く『スペシャルズ!』 <文/ヒナタカ>
雑食系映画ライター。「ねとらぼ」や「cinemas PLUS」などで執筆中。「天気の子」や「ビッグ・フィッシュ」で検索すると1ページ目に出てくる記事がおすすめ。ブログ 「カゲヒナタの映画レビューブログ」 Twitter:@HinatakaJeF
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