続いて、日本政府の新型コロナウイルス対応への反省について質問される。その質疑は以下の通り。
【4問目】
小川彩佳氏:
「そして、国内では新たな感染者が連日3000人近くという中で、非常にこの感染が拡大している。これが止まらない傾向が続いているわけですけれども、残念ながらこれまでの感染対策、成功とは言えないと思うんですが、振り返られまして総理としては何が足りないという風にお感じになっていますか?」
菅総理:
「
まあ、ここは非常に、えー、難しいですよね。ただ、あのー、過去の、今日までのですね、各種効果で、やはり飲食。まあ、ここを重点的にやろうという、そこが可能性としては高いだろうという、先生方思ってますんで。えー、そこを中心にですね、えー、今やってます。(
赤信号)
えー、確か、あの、勝負の3週間。これ終わった後も増えてますけれども、当時は東京・大阪・札幌、おー、このー、3つ、3県だった。今、15県くらい都道府県は、こう広めてですね、えー、そこの飲食の時間短縮を要請しています。で、国もですね、地方自治体の人がそうしたことをできるようにですね、えー、従来は最大60万円の保証が応援だったんですけど今120万にしました。特に年末年始ありますので、まあ、そういう形で多くの地方自治体からですね、そういう支援のお金関係なくですね、心配しないで出来るような体制というのを今つくっているという、まあ、そういうことです。(
黄信号)」
【5問目】
星浩氏:
「まあ、本来、あのー、年末年始っていうのはですね、帰省をしたり遊びに出掛けたりですね、それから、まあ、商売の人も年末年始でいろいろ商売ををやろうっていう人が多いわけで、まあ、本来ですとね、その年末年始にもうちょっとこう活動ができるように、それこそ勝負の3週間の頃にもうちょっと厳しめの対応をやってれば、まあ、ちょっとこの仮定の話で恐縮ですけども、そこでこうもっとブレーキを踏んでいればですね、年末年始もうちょっと楽しく過ごせることになったんじゃないか。そこは、その政府の判断にちょっと抜かりがあったじゃないかと。」
菅総理:
「
まあ、これ、ただ私ども判断をして実行に移す場合ですね、専門家の委員会というのがあります。その先生方から提案を頂いた中で政府としては対応してきている。(
赤信号)
まあ、そういう時も、ステージ3、感染拡大が増えているところですね、ここについては時間短縮ということでさっき言った、えー、東京とか大阪、札幌の3ヶ所だったんですね、当時。そこは時間短縮をやっています。(
黄信号)
えー、それと、GoToトラベルについても一旦停止をしたらということの提案を頂きましたので、えー、今そこは停止をしております。さらに愛知県もそうですかね。えー、それと、まあ、年末年始は全国でGoToトラベルについては一旦停止をさせていただく。まあ、そういう判断を致しました。(
黄信号)」
この4〜5問目は
質問と回答が全く噛み合っていない。4問目では
感染対策で不足していたこと、5問目では
政府の判断の誤りについて問われているのだが、
回答にあたる内容は一言も無い。では菅総理はいったい何を話していたのか見ていくと、以下2ヶ所は論点をすり替えており、
赤信号とした。
<4問目 1段落目>
【質問】感染対策で
不足したこと
↓ すり替え
【回答】感染対策で
重視したこと
<5問目 1段落目>
【質問】政府の
判断の誤り
↓ すり替え
【回答】政府の
意思決定過程
また、以下3ヶ所は周知の事実を述べているだけのため、
黄信号とした。
<4問目 2段落目、5問目 2段落目>
時短要請の経緯
<5問目 3段落目>
GoToトラベル停止の経緯
このあたりから「菅総理は本当に質問の意味が理解できないのではないか……」とスタジオの空気は不穏なものになっていき、特に小川彩佳氏は菅総理の回答をなんとか頷きながら聞きつつも、質問と回答のあまりの噛み合わなさに戸惑いの表情を隠せなくなっていく。