連発された見当違いの回答。TBS『news23』の菅首相インタビューを信号無視話法分析してみた
イギリスで拡大する変異種に対する水際対策
【1問目】
小川彩佳氏:
「主に新型コロナをめぐる対応について、お話を伺ってまいりたいと思っているんですけれども、その前にまずはイギリスから非常に気になる発表がありました。あの、従来のものよりも感染力が強いという新型コロナの変異種が拡大しているという報告があったということですけれども、総理にはどのような報告があったんでしょうか。」
菅総理:
「あのー、英国政府の発表を踏まえてですね、えー、直ちに厚生労働省、えー、ウイルスの専門……、厚生労働省とウイルスの専門家、国立感染症研究所ですか、ここで、えー、すぐ対応しました。(赤信号)
で、対応した結果ですね、えー、同じような変異をしたウイルスは現時点では……、おいては無いと。まあ、そういうことの報告を受けています。(青信号)」
【2問目】
星浩氏:
「ヨーロッパとか中東で、あのー、入国停止措置をやってますよね。そこは日本はどうですか。」
菅総理:
「ここは、日本は、あのー、イギリス政府と緊密に連携しながら。(青信号)
ただですね、現時点において上陸拒否対象国に今なってますので、特別の方限りですよね、日本に入って来れるのは。例えば日本人の方でイギリスに住んでらっしゃる方とか、あー、1週……、1日1人か2人だそうです。それで、そうした人もちろん検査します。それで陰性でも14……、14日間、あのー、隔離する。まあ、そういう体制でありますので、えー、そこは大丈夫だというふうに思っています。(赤信号)」
【3問目】
小川彩佳氏:
「今後、水際対策を強化されるという考えは今のところは?」
菅総理:
「あのー、ですから、今のままの中で、ただ、1日1人ぐらいですから。そこは、今対応できますから。(赤信号)
さらに厳しくする方向というのは当然イギリスとの間で、今、あのー、交渉してます。(青信号)」
この1〜3問目では、変異種に対して日本政府がどのような水際対策をするのかが問われているのだが、日本政府の方針は全く見えてこない。回答にあたる青信号が少ない上に、青信号の内容は「イギリス政府と緊密に連携」「イギリスと交渉している」など具体性が全くないからだ。
それでは、青信号以外の箇所で菅総理がいったい何を話していたのかを振り返ってみると、1問目の2段落目の回答は、以下のように論点をすり替えており、赤信号とした。
【質問】変異種の報告内容
↓ すり替え
【回答】変異種の対応状況
イギリスからの入国者についていい加減な回答
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