世界No.2にもなったカリスマ営業ウーマン直伝! 目標を達成できる「手帳術」とは

和田裕美さん

和田裕美さん

 今年もあっという間に師走を迎えた。  年初は東京オリンピックに胸躍らせる状況だったが、春からの新型コロナウイルスの流行により、社会状況は一変した。  まさに激動の年であり、年初に立てた「やりたいこと」や「達成したいこと」の軌道修正を余儀なくされた読者もいるかもしれない。  今回は独自のビジネスメソッドやライフスタイルを豊かにするヒントを発信する株式会社HIROWA代表取締役の和田裕美氏に、「陽転思考」を生活に取り入れる方法や、年末年始を有意義に過ごし、年明けから幸先の良いスタートを切るための“手帳術”について話を伺った。

人見知りが営業として成功できたわけ

 和田氏は会社員時代、日本ブリタニカで、プレゼンした商談相手の98%から契約を獲得するという驚異的な営業成績を叩きだし、世界142カ国中2位の営業成績を納めた功績を持つ。その後、最年少で日本支社長に抜擢され、強い営業組織の構築やビジネスコンサルタントに従事。  「女性営業のカリスマ」として、一時は年収3000万を達成し、2003年には『世界No.2営業ウーマンの「売れる営業」に変わる本』(ダイヤモンド社)を出版。その後独立し、現在に至る。  そんな華々しい経歴の持ち主だが、最初から順風満帆だったわけではないという。営業の仕事を始めたときのことについて和田氏は次のように話す。 「両親が自営業ということもあって女性でも稼げるようになりたいと思い、銀座のクラブで働いてみたもののお客さんを『よいしょ』するのが苦手で……。1週間ほどで辞めてしまったんです。当時、英語が好きで愛読していた『ジャパンタイムズ』を何気なく読んでいると、日本ブリタニカの求人を見つけたのが営業の世界に入るきっかけでした」  たまたま見つけた求人をきっかけに、思い切って営業の世界に飛び込んだ和田氏。当時は、「ここで頑張らないと自分の行き場がない」と感じていたという。

完全フルコミッションの厳しさを痛感

 ただ、最初の数ヶ月は本当にきつくて苦しい経験をしたと吐露する。 「上京したてで周りにほとんど友達がいなかったため、営業先も一から開拓しました。ただ、人に声をかけても冷たくあしらわれ、拒絶されるのが当たり前という現実は本当に辛かった。日本には『固定給神話』なるものがありますが、外資系企業は『完全フルコミッション』で、結果が出せなければ給料すらもらえない。始めたての頃は契約が取れず、親にお金を借りながらなんとかしのいだんです」  そんな苦労を重ねながら、電話営業を続け、店頭に立って声かけしていくうちに少しずつ営業のコツを掴み、結果が伴うようになる。  第一印象で信頼してもらい、相手がどうやったら本音を話してもらえるのか。威圧的な相手の場合はどのようにして突破するのか。  試行錯誤を繰り返し、和田流「ファンづくり」の営業スタイルを構築していった。 「『結果を出したい』に固執しすぎると、相手のメリットを考えず独りよがりになってしまいます。私は相手の心の声やぼやきを想像し、100個くらい手帳にあらかじめ書き出して準備していましたね。どういう悩みやニーズを抱えているか、会話の中で探りながら相手の立場に立って考えたり、小さいイエスを重ねたりすることでいかに本音を引き出せるかが大切です」
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目標を掲げるだけでなく、具体的な行動に落とし込む
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