地区協会には通知するも、教団「統一した見解は未決定」回答
5月17日夜、教団広報へ『天の父母様聖会』に関する質問書をFAX送信した。質問事項の要点は以下。
・宗教法人名を『世界平和統一家庭連合』から『天の父母様聖会』に変更し文化庁宗務課に名称変更の認可を申請するのか? (『世界平和統一家庭連合/家庭連合』→『天の父母様聖会』)
・宗教法人名は変わらず、通称・通名としての『天の父母様聖会』となるのか(『世界平和統一家庭連合/家庭連合』→『世界平和統一家庭連合/天の父母様聖会』)
・各摂理機関を傘下に置き統括する組織として『天の父母様聖会』を新設するのか
・『世界平和統一家庭連合』が『天の父母様聖会』になるのか、それとも『世界平和統一家庭連合』は『天の父母様聖会』傘下NGOの一機関となるのか(『天の父母様聖会 世界平和統一家庭連合』、『天の父母様聖会 国際勝共連合』)
・韓総裁が各摂理機関に120%証しすることを指示したということは、今後全ての摂理機関が教団内組織であると公表するということか
・『天の父母様教団』がボツになり『天の父母様聖会』となった理由
翌日、教団総務局広報部から回答があった。
「当法人名に関する今後の動向に於きましては、現在のところ、統一した見解が決定しておりません。付きましては、お応えできる段階になりましたら、公式ホームページ等でお知らせさせて頂きたく存じます」
5月8日の宣布から1週間余りでは統一した見解が決まらなかったということなのか。
但し、前述の17日の礼拝で鄭教区長は「家庭連合も天の父母様聖会家庭連合という名前にこれから出発するようになりました」と述べており、やはり『天の父母様聖会』の後に各摂理機関名を付加することが通達されているようだ。
各摂理機関の名称に「天の父母様聖会」を付けることにどのような意味があるのか。
全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の渡辺博弁護士(田村町総合法律事務所)は、韓鶴子の宣布をこう分析する。
「独生女宣言により自らの神格化を図る韓鶴子には『天の父母様聖会家庭連合』と団体名称の頭に『天の父母様聖会』を冠することで、
文鮮明色を消してしまおうとの意図があるのではないか」
今回の『天の父母様聖会』宣布で韓鶴子は「77億人類の3分1」を「侍(はべ)る」よう指令、宣教本部を強化するとして本部長に側近の
尹鍈鎬(ユン・ヨンホ)を任命した。
「これからすべての指示を世界本部を通して行います 国家を相手にしてもそのようにします それで世界本部の本部長として尹鍈鎬を任命します」
“
国家復帰”についても尹鍈鎬が前面に立つ体制となる。
内部情報によると、宣教本部の実質的な主導権は総裁秘書室が握っており、
室長と副室長による権力闘争が起こっていたという。今回、首尾よく
韓鶴子に取り入った尹鍈鎬事務総長兼秘書副室長が鄭元周(チョン・ウォンジュ)総裁秘書室長を追い落とした格好だ。
教団の実権を握る尹鍈鎬世界本部長(左)と、主導権争いから後退した鄭元周総裁秘書室長(右)(U-ONE NEWSより)
教団の実権を名実ともに握った尹鍈鎬新世界宣教本部長とは、どのような人物なのか。
1977年生まれの尹本部長は、教祖夫妻の4男・文國信が統一教財団理事長だった2009年~13年に教団幹部の不正蓄財などを調べる理事長直属のサイバー部隊の責任者で、その際に握った幹部の秘密を使い重要職に就いてきたと言われている。