自民党総裁選3候補、統一教会との”協助”関係でも菅官房長官が独走<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・番外編>

菅義偉官房長官

次期総理総裁の本命とメディアがこぞって持ち上げている菅義偉官房長官

 9月14日に投開票される自民党総裁選。主要派閥の支持により議員票の7割強を固め独走状態となっている菅義偉官房長官、菅氏に大きく水を開けられている石破茂元幹事長と岸田文雄政調会長。本稿ではこの3候補及び周辺の議員について、筆者が追及してきた統一教会(世界平和統一家庭連合/天の父母様聖会家庭連合)との関係を中心にまとめてみたい。

首相肝入り候補を統一教会礼拝に派遣、教団世界副会長を官邸に招待した菅官房長官

 過去の筆者記事の中で、何度も指摘してきたのが菅氏と統一教会との緊密さだ。  首相官邸と統一教会との関係が明確な証拠を以って可視化された2013年の参院選。官邸2トップ、安倍首相と菅官房長官が落選必至と見られていた全国比例区の候補者を統一教会との裏取引によって当選に導いた。その人物は現参議院議員で元産経新聞政治部長の北村経夫氏。祖父・岸信介元首相の恩人・天照皇大神宮教の北村サヨ教祖の孫とあって安倍首相肝入りの候補者だった。安倍首相は北村氏への組織票を「じきじきに」教団へ「依頼」、菅長官は参院選運動期間中、極秘裏に北村氏を福岡県内の統一教会の地区教会2か所の礼拝へ派遣、講演を行わせた。 〈参照:|自民党安倍政権と統一教会。2013年参院選時に蠢いた策動〉  さらに菅長官は17年5月、統一教会系列のワシントンタイムズ財団と米下院議員らからなる世界平和国会議員連合のVIPたちを引き連れ来日していた金起勲(キムギフン)北米大陸会長兼世界副会長一行を首相官邸に招待したとされる。 〈参照:|韓国の新興宗教に忠誠を誓う自民党・国防部会長〉  また、教団イベントで来賓挨拶を行った他、選挙運動員として教団信者を登用した疑惑が持たれている菅原一秀前経産省や山本朋広防衛副大臣といった子飼いの無派閥議員を統一教会に紹介したのも、長年自民党の選対を取り仕切ってきた菅氏の差配と見られている。

教団系メディアに鼎談記事、関連政治団体で講演の石破元幹事長

 一方、石破茂元自民党幹事長にも統一教会との関係が発覚している。地方創生相だった2015年6月、統一教会の関連政治団体・世界戦略総合研究所が永田町の憲政記念館で開いた第85回定例会において『地方から創生する我が国の未来』と題した講演を行っている。
世界総研の定例会で講演する石破地方創生相(当時)

世界総研の定例会で講演する石破地方創生相(当時)(世界総研HPより 現在は削除)

 また、教団系メディア・世界日報の月刊誌Viewpointにも石破氏は2度登場。党幹事長に就任する約半年前、衆院予算委員会野党筆頭理事と自民党安全保障調査会長を務めていた時期、同誌の12年2月号に長野祐也元衆院議員や木下義昭世界日報主筆兼社長(当時)と行った新春座談会記事が掲載された。その3年後の15年2月号にも地方創生相として両氏との鼎談が掲載されている。
石破氏が表紙に登場するViewpoint

石破氏が表紙に登場するViewpoint

  その他、佐藤正久外務副大臣の叔父がCEOを務めていた統一教会の関連海洋摂理会社・海洋平和が2018年6月に開いた株主総会へ、石破氏が祝電を贈っていたことも判った。  また石破氏は、偽書を基に富士王朝にあった天皇家ゆかりの神社の再建を謳う不二阿祖山太神宮が毎年関連NPO名義で開催する『FUJISAN地球フェスタWA』の名誉顧問を2015年以降、毎年務めている。〈参照:|安倍昭恵氏も関与していたオカルト神社の例祭に参列してみた。関連イベント役員には石破茂氏の名も〉  石破派(水月会)では第4次安倍第1次改造内閣で法務相を務めた山下貴司衆院議員も18年7月、岡山県のジップアリーナ岡山で統一教会が開催した大規模信者集会『復興祈念2018孝情文化ピースフェスティバルin OKAYAMA』に来賓出席している。 〈参照:|弁護士団体の要請を無視、“反社会的”教団の式典に来賓出席する閣僚たち〉  石破氏の推薦人に名を連ねた谷垣グループの中谷元元防衛相も、Viewpointの14年10月号に黒木正博世界日報論説主幹らと行った鼎談記事『集団的自衛権と日本の安全保障』が掲載されている。16年4月号にも防衛相としてインタビュー記事が掲載された。
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本人は接点なしも派閥幹部は”濃厚接触”の岸田政調会長
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