消費増税に加えて新型コロナショックで庶民が生活苦に陥る中、19日に「下関ふく連盟」から贈られた天然トラフグの刺し身を試食して「ぷりぷりだ」とご満悦の安倍首相(共同通信)
日本の感染者が、大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の感染者を除いても150人を超え、感染ルートを辿れない人が続々と現れています。このまま感染が拡大してしまうと、高齢者を中心に死者が増える恐れがあるばかりか、日本の経済にも大きな打撃を与えることになります。
どうすれば被害を最小限に抑え込むことができるのか。これはまさに
地震や洪水と同じように、不眠不休で取り組まなければならないほどのニッポンの危機です。
27日に唐突に「全国すべての小中高校と特別支援学校に3月2日からの臨時休校を要請する」と発表し、全国の自治体や教育関係者、あるいは子どものいる家庭を混乱に陥れる決断をするまでは、これまでデータをごまかすだけで、ろくすっぽ仕事をしてきたことがない安倍政権は、未曾有の大災害が起ころうとしているにもかかわらず、ガチで仕事をしていませんでした。
ただでも封じ込めが後手に回って失敗しているのに、やっとそれらしい「やってる感」を出したのに、現場のことを何も考えない決断をしただけなのです。
さてそこで、安倍晋三総理はいったい毎日何をしていたのか? 対策会議で真剣に対応策を検討していたのか? 首相動静(
時事通信)を参照し、確認してみることにしました。
19日のふぐの次は六本木で鉄板焼。コロナ関連は23分!?
まずは2月20日(木曜日)の首相動静から。
2月20日といえば、大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で隔離されていた乗客のうち、感染が確認されなかった約500人の下船が行われ、隔離されていた濃厚接触者の健康観察期間が終わった翌日です。この時点ですでにクルーズ船乗客だった方お二人が亡くなられた日です。安倍晋三首相は、官邸で「心からご冥福をお祈りする。感染者の重症化防止に全力で取り組む」と記者団に述べましたが、そんな日の安倍晋三総理のスケジュールがこちらです。
午前8時現在、東京・富ケ谷の私邸。朝の来客なし。
午前9時41分、私邸発。
午前9時56分、官邸着。
午後2時12分から同34分まで、ポーランドのグロツキ上院議長の表敬。
午後4時から同23分まで、西村明宏、岡田直樹、杉田和博各官房副長官、沖田芳樹内閣危機管理監、北村滋国家安全保障局長、古谷一之、前田哲両官房副長官補、長谷川栄一、今井尚哉両首相補佐官、外務省の秋葉剛男事務次官、山田重夫総合外交政策局長、鈴木康裕厚生労働省医務技監、高橋憲一防衛事務次官。
午後4時30分から同50分まで、北村国家安全保障局長、林肇官房副長官補、滝沢裕昭内閣情報官、山田外務省総合外交政策局長、防衛省の槌道明宏防衛政策局長、山崎幸二統合幕僚長。同51分から同55分まで、北村国家安全保障局長。
午後5時17分から同32分まで、月例経済報告関係閣僚会議。
午後6時50分から同52分まで、報道各社のインタビュー。同53分、官邸発。
午後7時1分、東京・六本木の京料理、鉄板焼き店「花郷 六本木店」着。評論家の金美齢氏、自民党の城内実、池田佳隆、石川昭政、長尾敬、簗和生、山田賢司各衆院議員、小野田紀美参院議員らと会食。
午後9時7分、同所発。
午後9時27分、私邸着。
午後10時現在、私邸。来客なし。(出典:
時事通信)
この日、新型コロナウイルス対策らしい仕事をしたのは23分だけ。夕食はみんなで
六本木の鉄板焼き屋「花郷 六本木店」(
食べログ3.55)さんに行き、みんなで酒を飲んでワァーです。新型コロナウイルスもアツアツの鉄板の上では勝てないとでも言うつもりでしょうか。ちなみに、記事冒頭に掲げた写真のように、19日には安倍晋三総理のお膝元である山口県下関市から、安倍晋三総理に
「ふぐ」を食べてPRしてほしいということで、プリップリのふぐを食べて「ぷりぷりだ」と言っていました。ふぐを食うよりやることがあるんじゃないかと思えてなりません。
マスクは足らないし、アルコール消毒液は足らないし、現場では防護服も足らないし、検査体制は整っていないし、中国人観光客が来ないのでホテルやバス会社は潰れそうだし、韓国とはケンカをしてしまったので韓国人観光客は来ないし、消費税を10%にして庶民に金がないので買い物もしてもらえない。株価が下がって年金が溶けるかもしれないので、現場での物理的な対応のみならず、経済的にも何らかの政策を出さなければならないタイミングの安倍総理のスケジュールでした。