添好運(ティムホーワン)新宿サザンテラス店。早くも行列ができる人気店だ
ここ数日、新宿・サザンテラスに行列ができている。
行列の先にあるのは香港で5店を展開する有名チェーン「
添好運(ティムホーワン)」。ミシュラン星付きの店とあって、その味は折り紙つきだ。
この添好運のもう1つの特徴がその安さ。
「ミシュラン星付き」の店としては世界一安く、ワンコインで食べられるメニューも多い「1人でも入れる庶民派チェーン」なのだ。
かつてこうした「おひとり様歓迎の外国発庶民派チェーン」といえば殆どが米国発のファストフードチェーンであったが、近年は「ファスト中華」ともいうべき中華圏の有名チェーン店が日本に進出する例も増えている。
今回は、こうしたチェーン店のうち香港、中国、台湾からやってきた3店舗を紹介しよう。
世界一安いミシュラン星付き店「添好運(ティムホーワン)」
まず訪れたのは先述した香港の有名店「添好運(ティムホーワン)」だ。
新宿の店は混んでいるだろう……と思い訪れたのは日比谷シャンテ。日比谷シャンテは映画館などが入居する複合ビルで、添好運が出店しているのはこの日比谷シャンテの別館。日本国内の店舗は「ハードロックカフェ」などをFC展開する株式会社WDIにより運営されている。
店舗は外向きであり、向かいには昨年完成したばかりの「東京ミッドタウン日比谷」が見える。
添好運(ティムホーワン)日本1号店の日比谷店
筆者が店舗を訪れたのはピークオフの時間帯であったが少し並ぶことになった。並んでいるあいだに注文用紙が配られるため、入店するとすぐに注文することができる。この「紙に書いて注文する」という注文方式自体が中華圏で比較的多くみられる形態であるため「本格派」を期待させられる。
建物の側面には「世界一安いミシュランレストラン」の文字が
20分ほどかかって店内に入る。店内は香港の標準的な同店と比較すると広くて明るい雰囲気だ。なんと席数は84席もあるという。筆者の訪問時は女性客のほうが多かったが、おひとり様のサラリーマンや旅行客も少なくなかった。
メニューの多くは500円前後で、看板メニューの「酥皮焗叉燒包」(ベイクドチャーシューバオ=叉焼の揚げパン包み)は1皿(3個)580円(税別)。香港では20香港ドル(日本円で約280円)なので、日本では香港の約2倍の価格になる。とはいえ、最も高いメニューでも680円なので、ランチなら2品、1,000円ちょっともあればお腹いっぱいになる。香港よりも少しお値段は張るものの、これほど安くミシュラン星付きの料理が味わえるのは都内でここだけだ。なお「お茶代」としてサービス料が10%かかるが、各テーブルには美味しいお茶が備えられているのでしっかり味わって飲もう。
メニューの一部
さて、定番メニューともいえる「酥皮焗叉燒包」以外で筆者がオススメしたいのは「美味鮑汁鳳爪」(鳥足の香港式煮込アワビソース)。鶏の足――いわゆる「もみじ」の香港風煮込みである。もみじは郷土料理として食べられている地域もあるが、都内で気軽に食べられる店は少なく、いかにも「海外の店に来た」という気分にさせられる。骨が多くて食べづらいと思いきや軟骨まで軟らかく煮込まれてあり、肉がホロホロと剥がれ落ちる。また、一緒に煮込まれている茹落花生もいいアクセントになる。味付けがしっかりしており、またコラーゲンもタップリなのでちょい飲みのお供にも、そして女性客にもオススメだ。(ちなみにアルコールは青島ビールの小瓶が780円(税別)など)
美味鮑汁鳳爪。見た目は少しグロテスクだが思い切ってしゃぶろう
添好運(ティムホーワン)の日本国内店舗はこの日比谷と先月開店したばかりの新宿サザンテラスの2店舗。連日行列ができており、日本企業がFC展開しているとあって近い将来には全国展開も期待される。酥皮焗叉燒包など一部メニューは「外帯」(持ち帰り)も可能だ。