違法薬物事案で逮捕、作品出荷停止を経験した電グルファンのミュージシャン、ピエール瀧逮捕への思いを語る

違法薬物をやって逮捕されるのは割に合わない

 とにかく逮捕される事は今の日本社会においてデメリットが多過ぎて、ぼくは今まで大麻や違法薬物について聞かれると「割に合わない」とだけ答えてきた。  どっちにしても、薬物事犯での前科持ちなんて、どこの誰にも歓迎されない。  それだけ逮捕されると人生は変わってしまうのだ。  逮捕されてからその手の噂はやたら耳に入ってくるようになった。  ぶっちゃけて言えば、各業界で表向きは「ぼくは薬物とかは無縁」と言ってる人も大麻や薬物を割とカジュアルにやりながら、ちゃんと普通に仕事をして社会生活を送ってる人がいるのも知ってるし、「くそー!俺と同じ大麻吸ってたのに、順調にやりやがって!こいつ一回逮捕されりゃーいいのに!」みたいなのもいないわけではない。  でも誰かは絶対に言わない。  俺が逮捕された時にボロクソに批判してた奴ですら薬物経験はある。  逮捕されたらその人達の人生が一変してしまうからだ。しかも確実に悲惨な方向に。

禁止されていようがやる人はやる

 薬物は禁止されてようが、されてなかろうがやる人はやるもんだと思っている。  信じられないかもしれないがそういうものだし、あなたがファンのミュージシャンや俳優もやってる可能性なんてゴマンとある。  薬物系の犯罪は留置場の中であった「本職」のおじさんも割りに合わないと言っていた。 「コッチ系(薬物系)の逮捕は被害者がいないから、一番馬鹿馬鹿しいし、割りに合わないんだよ。俺らは人を傷つけたり、騙したり、悪い事やるつもりで悪いことやってるから、捕まってもそれ相応の覚悟ができてるんだ」という話を聞いてなるほど、と思ったものだ。  瀧さんの逮捕の翌日、ぼくがさらに驚いたことがあった。  瀧さんが取り調べで「コカインや大麻を20代からやっていた」と供述したらしい。  これはすごい事だと思う。  逮捕されたら当然、できるだけ印象をよくして、罪を軽く済ませてもらいたいから、動かぬ証拠がない以上は、わざわざ自分が不利になるような事は言わないのが普通である。  しかも、コカインだけでなく、大麻も!  変な話、ここでまた瀧さんに勝手に親近感を感じたというのも事実だ。
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違法薬物について改めて考えたこと
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