12)および13) 韓国側の1/14実務者協議後の発言について
「同月14 日の実務者協議の詳細について、事前の合意に反して、事実と異なる内容を一方的に明らかにした。」と防衛省は述べていますが、これも事実と異なります。実務者協議の内容を先にリークしたのは防衛省です(参照:
レーダー照射問題は“平行線” 日韓防衛当局の初協議 NHK 2019/1/15 5:03)
この要点は、
”協議で日本側は、照射の客観的な証拠として自衛隊の電波記録を示すことを打診しましたが、その条件として韓国側が駆逐艦の電波に関する記録を示すことに同意しなかったため、機密保全などの観点から提示しませんでした。
日本側は改めて再発防止を求めましたが、韓国側はレーダー照射を否定するこれまでの主張を繰り返し、協議は平行線に終わりました。
以上”
です。
これに対し、1/15韓国国防部ブリーフィングでは、下記のやりとりがありました。全文は、
韓国国防部2019/01/15ブリーフィング全文訳をお読みください。
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(質問)NHKによると日本側がレーダー関連情報をその際に公開できるというふうに報道されましたが、実際にそれを日本側が実務協議の過程で限定的にでも公開したのか否かについて教えてください。万が一公開しなかったのであれば、公開しない状況で安保問題を政治的に利用したような印象を受けています。日本。そんな日本の行いに対し、どうお考えになりますか?
(答弁)はい。日本は今回の事案のスモーキングガンであるはずの、我が軍艦のSTIR レーダーの周波数を公開しませんでした。ただ、日本は一部のデータだけを挙げて我が軍艦のレーダー情報全体に対する要求を行いました。我々としては受け入れがたい要求でした。
このような要求は無礼であり、事案解決の意思がない強弁であると我々は見ています。
(質問)日本はデータを公開していないのにも関わらず、我々にデータを要求したということでしょうか?
(答弁)そうです。傷があるのなら、傷跡をまず見せるのが順序ではありませんか? しかしそれもなくして、我々の持つ情報だけを公開せよというのは正しい要求とは思えません。
(質問)日本側は、なぜそんな要求をしたのか背景についてわかりますか?
(答弁)その背景については我々が公式見解を示すことはできませんが、周波数の公開部分が……えーと、どう見れば良いのかわかりませんが、その部分に我々が求める正確な資料が出てこなかったためと見えます。
(質問)それでは、韓日両国が今後、実務協議やビデオ協議のようなものを開催する予定はありますか?
(答弁)それについては協議することになっています。我々が求めるのは、日本が、韓国が調査したと主張している正確な周波数レーダー、そしてレーダーが作動すると警告音のようなものが少し鳴る。そういった、比較的正確で客観的なデータを提示してくれるよう、持続的に要求しています。
(質問)それは、今はいずれにしろ日本側が一部の情報を提示したということでしょうか?
(答弁)違います。
(質問)では……
(答弁)一部の情報も提示されていません。
(質問)それでは日本側からは何の情報も提示されない状態で、韓国側のレーダー情報を公開しろと要求したと。
(答弁)一部を公開する代わりに全体をくれという話だったので、我々としては受け入れられませんでした。
(質問)公開できるという一部の部分が、STIRミサイルレーダーの周波数ではなかったということですか?
(答弁)その部分は我々が確認しなければなりませんが。我々はそう見ていません。今はSTIRレーダーとは確認できない状況です。正確な周波数の対訳が出れば、それが我々のものなのかはっきりします。それで我々はこの件のスモーキングガンといえる、日本が受けたと主張する周波数を提供してくれと話しており、そうなって初めて確認できるといった状態です。
(質問)それでは日本が公開できるとした情報はレーダー周波数ではなく、その他の違う情報だと……
(答弁)日本が公開したという部分が何かについては確認しなければなりませんが、我々の要求は、日本が照射されたと主張しているSTIRレーダーの周波数を公開することです。
(質問)日本が出してきた条件を明確に再度確認して知らせていただければ良いのですが、今日本のメディアではそのレーダー周波数の記録を公開する意向はあったが韓国側が拒否したと報道されています。
(答弁)それは違います。それで今申し上げたのです。我々が要求する正確な資料ではなかったこと、そしてそれに対し我々が受け入れられない要求をしてきたということです。
我々が拒否したのではなく、日本が我々の求める資料を公開しなかったからであることは明らかです。
(質問)では、我々の求める情報を出さない日本は、他に何の情報を公開できるというというのか、たとえばレーダー周波数でなければなんなのか。
(答弁)それがレーダー周波数なのかについては、「ごく一部」だけとされているため、私が正確に確認します。
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一読すればわかるように韓国側は、防衛省のリークによるNHK報道に関する質問に対して答えています。
「事前の合意に反して」「内容を一方的に明らかにした」のは防衛省であり、韓国側の答弁が正しければ、「事実と異なる内容を一方的に明らかにした」のも防衛省と言うことになります。
また、
韓国側の答弁が正しければ、防衛省の要求は破廉恥で無礼なものだと言うほかありません。