肱川大水害の災害現場。死者も出た地域の傷痕は今もなお深い
第1回「3か月過ぎても復興進まず。平成30年豪雨被災地、肱川水系の現在」、第2回「ダムを境に被害が分かれていた肱川大水害。復興進まぬ肱川水系調査で判明」)
今回は肱川中学校、鹿野川地区、道の駅ひじかわなどについてご紹介します。
鹿野川ダムから国道197号線を西進すると右手に水害によって流失寸前という被害を受けた鹿野川大橋を見ながら程なく「道の駅清流の里ひじかわ」に到着します。ここは、近くで車ごと流されて亡くなった方がおり、防犯カメラに水没する過程が記録されていた為に繰り返し報道されていた場所です。鹿野川ダムより1.4km下流です。
西日本豪雨: 肱川氾濫「道の駅」防犯カメラ映像 大洲(提供)毎日新聞2018/07/12
防犯カメラの映像を見ますと、7月7日8:53に下流側から水が上がってきたことがわかります。この地点は、駐車場が標高50mとなっており、標高が僅かに低い道の駅建屋は、外側で2m、屋内が1.6mの浸水であったとの証言を複数得ています。道の駅清流の里ひじかわの下流75m程の地点で小川が流れ込む谷があり、この小川がバックウォーター(背水)によって溢れ、下流側から押し寄せたものと思われます。実際、小川の岸にある民家は1階全没の被害で、対岸の木造倉庫(記事冒頭写真)は押し流されており、水位がより高かったものと思われます。
この一帯では、国道197号線も1m前後の浸水のために通行が全く不可能になっていたとのことです。
2018年7月7日、未曾有の豪雨によって西日本広域で歴史的な大水害が発生しました。その大水害において、最終的に計9名の人命が失われた愛媛県の肱川(ひじかわ)水系の「肱川大水害」の傷痕を追うルポも今回で3回目となりました。(参照:
死者も出た道の駅清流の里ひじかわ付近
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