――聞きにくい質問が終わったのでちょっと砕けた質問を……。これネットの世界を中心になんですがもう長年、このキャンディーズを囲む写真が石破さんではないかという話がながれておりまして……。
石破:それは私ではありません。まったく別人。
――コンサート等には行っておられました?
石破:コンサートには行っていません。僕は陰からそっと見守るほうだった。
――僕はランちゃん派なんですけど。3人の中ではどなたが?
石破:私はミキちゃんですね。まったく関係ないです、その写真は。
――これで長年の疑問が解消しました(笑)。さて、次に国会対応について伺います。実はこのインタビューに先立って、野党の議員を中心に、石破さんについての印象を聞いて回りました。皆さん異口同音におっしゃるのは「石破さんほど国会を大事にする自民党の代議士は最近少ないのじゃないか」という点です。昨日話を聞いた野党議員は、「質問の際、後で石破さんがうなずいてくれているのを見ると、今回の質問は芯を食っている質問だったと自信がつくんだ」と言っていました。これは一有権者として予算委員会の中継などを見ている時の印象と同じです。テレビの中継で、与野党問わずいい質問がでると大きく頷いたり感心した表情をしたりされる石破さんの姿をみると「そこまでやる必要ないんじゃないかな」と思うほどです。「当たり前だ!」と言われるかもしれませんが、なぜそこまで国会審議を大事にされておられるのでしょうか?
石破:それは、国会って、「わかってください」っていう場だと思っているからです。ただ時間を消化するではなく、事情や主張を「わかってください」「理解してください」と正式に主張できる場だと私は思っているんです。
少し割り引いて聞いていただきたいのですが、私が防衛庁長官のときに、参議院選挙がありました。その時、その選挙で引退されるっていう共産党の参議院議員が、防衛庁に訪ねてこられたのです。秘書官たちはびっくりして、共産党の議員がアポをとって防衛庁長官のところに来るっていうのは例がありませんから、どうしましょうかっていうから、「いいじゃないか」って言ってお会いしました。1人で来られました。吉岡さんという方です。その方がおっしゃったのは、「私は今回で引退するが、その前に一言だけあなたにお礼を言いたかった」と。「あなたと私の主義主張は全く違う。今でも違う。だけどあなたは私の質問に正面から答えてくれた。共産党だからって等閑視するんじゃなく、一生懸命答えてくれた。それが嬉しくて引退するにあたってお礼を言いにきた」と。これは私の一生の誇りです。
我々は法案を通そうと思ってやってるわけです。当時であれば有事法制、米軍支援法制、イラク特措法、テロ特措法などでした。国会の場で、たとえ賛成していただけなくても、少なくとも政府が言わんとしていることは理解したと、そう言っていただけるようにしなければならないと私は思っているし、野党議員は激しく攻撃してくるけれど、その向こうには多くの支持者がいるわけで、憲法で定められているように、全国民の代表者として、彼らは我々に質問しているのです。とすれば、野党にもわかってもらおうとする努力は、そのままその向こうにいる有権者、支持者にご理解を頂くことだし、それは政府与党として当たり前の責任だと思います。
――それが多分、ここ6年間見られない光景、なんでしょうねぇ。