もうひとつ、2014年に行われたメタ分析では、147件の実験データをもとに、「遺伝子組み換えと農薬の問題」についても精度が高い結論が出ています。こちらの要点は以下のとおりです。
・遺伝子組み換え技術を使うと、農薬の使用量を最大37%まで削減できる
・逆に穀物の収穫量は22%まで増やすことができる
毒性の高い農薬が使われるどころか、遺伝子組み換えは農薬の絶対量を減らし、逆に安全性を高めてくれるわけです。農薬への依存度が高い後進国などにとっては、まことにありがたい技術だと言えるでしょう。
そんなわけで、いまのところ遺伝子組み換え作物に関しては、
1.危険性は動物実験でしか確認されておらず、そのデータの精度も怪しい
2.質の高い研究ほど遺伝子組換えの安全性を保証している
というのが現代科学の結論。遺伝子操作には本能的な恐怖を抱いてしまうのが人情かもしれませんが、いたずらに怖がる理由はありません。
1.Gilles-EricSéralini (2012)Long term toxicity of a Roundup herbicide and a Roundup-tolerant genetically modified maize
2.J. D. Prejean(1973)Spontaneous Tumors in Sprague-Dawley Rats and Swiss Mice
3.AMERICAN ASSOCIATION FOR THE ADVANCEMENT OF SCIENCE(2012)Statement by the AAAS Board of Directors On Labeling of Genetically Modified Foods
4. Alessandro Nicolia (2012)An overview of the last 10 years of genetically engineered crop safety research
5.Wilhelm Klümper(2014)A Meta-Analysis of the Impacts of Genetically Modified Crops
<文/Yu Suzuki>
【Yu Suzuki】
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「パレオな男」管理人。「120歳まで生きること」を目標に、日々健康維持に励んでいる。アンチエイジング、トレーニング、メンタルなど多岐にわたり高度な知見を発信している。NASM®公認パーソナルトレーナー。あまりに不摂生な暮らしのせいで体を壊し、一念発起で13キロのダイエットに成功。その勢いでアンチエイジングにのめり込む。11月11日、初の著書『
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