タイ人からも「不況」を嘆く声が。タイ経済の今後はどうなる?

タイの不況は今が「底」!?

小田原靖代表

PERSONNEL CONSULTANT MANPOWER(THILAND)CO.,LTD.の小田原靖代表

 そこでタイ経済を20年以上最前線で見てきた人物にコンタクトを取った。日系企業にタイ人や現地採用向け日本人を紹介するPERSONNEL CONSULTANT MANPOWER(THILAND)CO.,LTD.の小田原靖代表だ。 「いえ、むしろ今が底辺ですよ。すでに2年くらい不景気が続いていて、いつ上がるのか待っている状態です。少なくとも、これ以上沈むことはないと見ています。日本のバブル崩壊も一般の人が実際に気がついたのは少しあとになってからじゃないですか。それと同じで、一般タイ人は2年経ってやっと気がつき始めたのです」  2年前の2014年6月、タイは再び陸軍が政権を掌握した。そして、この事件に反感を持った欧州連合(EU)は制裁措置として外交縮小を行った。タイ最大のスラム街であるクロントーイ地区の住民の大半は隣接するクロントーイ港で日雇い労働者として仕事を受けていたが、輸出入が大幅に減って日銭すら稼げない者が増えた。そのため、近隣ではひったくりなどの犯罪も頻発するようになり、日本人にもiPhoneを盗まれた人もいた。ごく一部の層だけが2年前から不況の悪影響をいち早く受け、中間層は今になってやっと実感してきているようだ。
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タイの景気を後押しするタイ人気質
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