トランプ、ドイツ銀、原油価格……。マーケットのリスクをおさらいしておく

ドイツ銀行の破綻リスク

 現在、最も注意すべきは、ドイツ銀行の破綻リスクである。社債や国債、貸付債権などの信用リスクに対して、保険の役割を果たし、信用リスクを回避する手段として破綻保険証券「CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)」というものがある。9月29日時点、ドイツ銀行のCDSは237と、高い数値となっており、破綻懸念が増している。  6月29日、米連銀が大手国際金融機関33銀行の自己資本計画書に対する評価、いわゆる、ストレステストを実施したが、ドイツ銀行は不合格であった。「保有資産を過大に評価している。リスク管理および管理体制に欠陥がある。その結果、ドイツ銀行の提出した自己資本計画は信頼性に限界がある」と、ドイツ銀行は評価された。  ストレステスト対象33行の内、30行が合格した。モルガンスタンレーが条件付き合格で、2016年末までに内容を修正して再提出が求められた。ドイツ銀行の米国法人およびスペインのサンタンデール銀行の米国法人が不合格で、自己資本計画を却下されている。  9月29日時点、ドイツ政府は、住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売をめぐり米司法省から最大140億ドルの支払いを求められているドイツ銀行の救済を否定している。英生保事業の売却によってドイツ銀行の経営不安もやや落ち着いているが、マーケットに対してドイツ銀行は大きなリスクとなっている。
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原油価格変動リスク
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