「そごう」のかつてのシンボルであるからくり時計を懐かしむ人は多い。こうした百貨店の「非日常的演出」は消えゆく運命か。(そごう広島店)
実は、他のそごう・西武の店舗でも柏店と同様に、とくに旗艦店以外においては、従来と比較すると内外装や販売員の極端な合理化に走ったり、長年に亘って改装やテナントの刷新が行われていないような店舗が存在する。百貨店は、一般的にスーパーマーケットなどと比較して店舗の規模が大きく、またその立地から建物が「都市の顔の1つ」として捉えられることも多い。もちろんそごう柏店も同様であり、その閉店は地域経済に暗い影を落とすばかりか、一等地の大型空き店舗の存在自体が地域のイメージ悪化を招くことは想像に難くない。
セブンアイがこのままこういった経営手法を採り続けていくならば、「そごう・西武」全体ののれんに、ひいては百貨店業界全体にさえも大きな傷を付けることになり、それが更なる経営不振、そして新たな閉店を生み、地域経済の疲弊を招くというスパイラルに陥る遠因にもなるであろう。
百貨店事業の縮小が続く影には、百貨店への新規投資を阻んだセブンアイの百貨店経営方針の功罪が見え隠れするように思えてならない。
<取材・文・撮影/都市商業研究所>
【都市商業研究所】
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