もっとも、KN-11の発射成功が確認されたのは今回が初めてであり、北朝鮮のSLBM技術はは、まだまだ未熟である。
さらに今回公開された映像を見る限り、海上へ飛び出してロケットに点火した直後と、しばらく飛翔したところの少なくとも2回、ロケットのノズルから火花のようなものが飛び散っている。これは明らかに異常で、機体の構造や、もしくは固体推進剤の品質などに問題を抱えている可能性が高い。前述したように固体ロケットの開発や製造には難しい技術とノウハウが必要なため、そのあたりの知見がまだ無いのだと考えられる。したがって、一般的に実戦配備と呼ばれる状態に入るにはまだ数年かかるとみられる。
また、SLBMはたしかに利点は多いものの、しかし北朝鮮の新浦級はディーゼル・エンジンを使う旧式の潜水艦で、原子力潜水艦のような静音性はない。また、その動向もおおよそ把握されているため、たとえば日本に近付いて撃とうとしたり、あるいは米国本土に近付こうとしても、それ以前に日米韓らによって捕捉されることになろう。いずれSLBMを発射できる原子力潜水艦を配備する可能性がないわけではないが、それはまだ先のことだろう。