LINEとクックパッドに見る、国産ITサービスが海外戦略に失敗するワケ

大株主としてクックパッドの世界進出を諦めない佐野氏

 LINEは出澤社長の「陣取り合戦は終わった」という言葉のとおり、世界制覇をめぐる競争からは降りることとなった。市場はその堅実性を評価し、株価の下落は避けられるだろう。それは上場企業としては正しい姿勢だが、一時は国産発のアプリで世界を獲ると言っていた企業だと考えると、その冷静な転身ぶりには少し寂しさを感じる。  一方、上場企業にも関わらず会社を振り回し、少数株主の利益を損ねたとして批判された佐野氏は、中高時代を過ごしたアメリカ・ロサンゼルスに昨年度より再び住所を移した。その地でも自社のレシピサービスが流行ることを夢見て佐野氏は取締役、大株主としての権利を行使し続けるだろう。  果たして佐野氏の執念が実り、クックパッドが日本発の世界制覇するIT企業になる日は来るのだろうか? 日本のIT企業が世界を席巻する姿を見てみたい気もしないでもない。 <文/大熊将八> おおくましょうはち○瀧本哲史ゼミに属する現役東大生にして、東大・京大でベストセラーの企業分析小説『進め!! 東大ブラック企業探偵団』(講談社刊)著者
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進め!! 東大ブラック企業探偵団

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