LINEとクックパッドに見る、国産ITサービスが海外戦略に失敗するワケ

IT分野での世界進出の難しさ

 自動車や家電を始めとする製造業では古くから海外展開を成功させてきた日本企業だが、ITサービスは現地と日本の文化の違いなどが普及のネックとなったり、現地のプレーヤーに勝てなかったりするケース。もしくは、買収しても子会社のマネジメントがうまくいかなかったり、アメリカ、中国の大資本に競争で負けたり、と様々な理由から、成功例がほぼない。  拙著『進め!! 東大ブラック企業探偵団』では、グローバル化とIT化という変化の波に適応して、衰退する国内を脱して世界に打って出て、チャンスを掴んだ会社のみが生き残ると書いた。しかし、そもそも日系ITベンチャーのグローバル化はどこもうまくいっておらず、市場からも評価されていないのだ。  最近では非上場のまま、ベンチャーキャピタルからのみの資金調達で海外進出に取り組んでいる企業もある。ニュースまとめサービスを手がけるスマートニュースと、フリマサービスのメルカリだ。2社とも、’14年からアメリカ進出を開始した。  ただ、好調な国内のダウンロード数増加とは対照的に、’16年7月16日現在のアメリカのAppStoreランキングのトップ50にどちらも入っておらず(ちなみに1位は”Pokemon Go”である)、今後どこまで踏ん張れるか注目といった具合である。
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大株主としてクックパッドの世界進出を諦めない佐野氏
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進め!! 東大ブラック企業探偵団

ニッポンを救うホワイト企業はここだ!!