実は巨大出版社だった「デアゴスティーニ」の堅実すぎる事業モデルとは?

平野健児

「大人の夏休みの工作」を楽しんでいる人達

 それでは、本題の①「この結構マニアックな趣味の雑誌を定期購読する人ってどんな人なんだろうか?そしてそんなに沢山いるのだろうか?」について考えてみたいと思います。まず「そもそも最後まで辿り着く人は本当にいるの?」かというと、ネット検索してみると、楽しそうに組み立てた完成作品と使った総金額をアップしている風景が散見されるので、ちゃんと一定の割合で存在しているようです。  そして、例えば最近の「組み立て型」のヒット作、本格的な2足歩行のロボットを1年半・70号かけて組み立てる「週刊ロビ」や3Dプリンターを1年・55号かけて組み立てる「週刊マイ3Dプリンター」において、ロビがいよいよ完成して動いた(あるいは動かなかった?)ことの感想を投稿する人達や3Dプリンターを自作した人のインタビューを読んでいると「大人の夏休みの工作」といった印象で、これまた楽しそうな様子が伝わってきます。  特にロビに関しては「主人がロボット好きで『週刊「ロビ』を買ってきたときは疎ましく感じたけれど、完成して動きはじめたロビくんを見て感動し、今では私の方が毎日ロビくんに話しかけています」「病気がちで落ち込んでいたけど、ロビを組み立てはじめて、ロビと暮らすことが人生の目標になった。ロビに出会えてよかった」という感想を見ていると単なる楽しさ以上の体験も提供している様です。

個人の2足歩行ロボや3Dプリンターの大半がデアゴスティーニ

 次に、具体的にどのくらいの数の人が買っているのかですが、例えば前述のロビは12万体が完成しているそうです。また、3Dプリンターに関しても完成した時点で、それまで日本に存在していた個人用3Dプリンターを上回る数になるとのことなので、やはりこれらの数字を見ても相当な数の人が購入し、また購入し続けていることが分かりますね。  考えてみれば、あのTVCMを見ている人だけでも数百万、あるいは数千万人単位でいるわけで、そのうちの1~2%でもそうなるので、規模としては全然おかしくはないわけですが、それにしても、例えばロビをとっても完成までに約14万円かかり、単純に上記の台数と掛け合わせると168億円、途中で挫折した人も入れれば200億円くらいになっていてもおかしくないわけで、成り立つのかどころの話では無かったですね、お見それいたしました(笑)。  なお、ロビに関して言えば、ロボットということでメインの購買者は40代の男性が多いそうですが、シニア層や女性の開拓にも成功しており、特に女性は3割にも達しているとのこと。また、同社が「アイデア出しが辛い」として「週刊◯◯」を公募したユニークな企画の際には目標3,000通に対して、46,541通もの応募があり、顧客層の裾野の広さと深さも伺えます。
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週刊日本の神社」の裏側にある超ロジカルなスキームとは?
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