船に降り立ったファルコン9ロケット Photo by SpaceX
起業家イーロン・マスク氏の宇宙企業「スペースX」が、また快挙を成し遂げた。
5月6日、米国フロリダ州から離昇したスペースXの「ファルコン9」ロケットは、衛星の打ち上げに成功すると共に、役目を終えて切り離された第1段機体を、大西洋上に浮かべた船の上に着地させ、回収することにも成功したのだ。
本サイトでもたびたびお伝えしているように、スペースXはロケットを何度も繰り返し使用することでコスト削減を狙った、「再使用ロケット」の実現に向けた挑戦を続けている。同社によると、再使用によって打ち上げコストは従来の100分の1ほど、つまり1機あたり1億円弱で打ち上げられるようになるといわれており、実現すれば宇宙利用は格段に広がることになる。
同社は何度も失敗を重ねつつも粘り強く試験を続け、ロケットの回収に成功したのは今回で3回目、また洋上の船での回収に成功したのは2回目となった。さらに今回は、同社が事前に「今回は成功しないだろう」と予測するほど、従来と比べ非常に難しい飛行からの着地成功だった。
3回目の着地とあって、メディアでの扱いは小さかったが、むしろ今回の着地成功こそ、ロケットの再使用化とそれによるコスト削減に大きく役立つ、イーロン・マスク氏とスペースXにとって心待ちにしていた成果なのである。